えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『美しい星』はどこまで『美しい星』になったのか?

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


美しい星 - 映画予告編 

 

個人的な話から入るが、亡くなった友人からかつて三島由紀夫の『豊饒の海』の話を聞いたことがある。友人によると『豊饒の海』は「物語(ストーリー)の歴史(ヒストリー)を描きつつ、その解体を目指した」。要約するとそうなのだが、読んでいない人には何のことやら?だろう。実際に自分も後で読んだことはあるがそうだったし、現在ではその内容もほとんど覚えていない。

 

しかしその時、そうならば三島由紀夫は新たな「歴史(ヒストリー)としての物語(ストーリー)」を構築しようと考えたのではないのか?それが『美しい星』ではないのか?そんなことを『美しい星』を観て思い出した。純文学よりSF小説を好んで読んでいる自分としては嗜みとして『美しい星』は読んでいたから。

 

『美しい星』は結構に変な小説だ。物語と登場人物の葛藤を自分なりの文体で展開する通俗とは違って純文学はその作家の情念を他が真似のできない文体で展開する違いは理解していても、やっぱり変だ。シュールと言い換えても良いかもしれない。

 

そして映画では小説と違い大きな変更点が二つある。ひとつは核戦争の恐怖を環境問題に変えたこと、そしてアレだ……そこで映画は原作から何を抜き取ったのか?

 

ここでは自分の思い出を基にして、その部分と映画の感想を書いてみたいと思います。

 

 

ここから先はネタバレになります。映画を観ていない方にはおススメできません。

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『夜明け告げるルーのうた』と『レッドタートル ある島の物語』と同じとこ

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][加筆修正有]

 


映画「夜明け告げるルーのうた」本編映像+予告編 

 

夜は短し歩けよ乙女』とは対照的に『夜明け告げるルーのうた』はファミリー層を意識したジブリ的なアニメ映画だ。だから内容は分かりやすい代わりに深海などの描写に独自の表現 --個人的には『アビス』、『ルパン三世 カリオストロの城』での水の表現を思い出したーー をしてファミリー向けでも湯浅監督「らしさ」が感じられる印象だ。

 

物語は主人公のカイと仲間達がルーと仲間達との出会いを通し変わってゆくひと夏を描いている。

 

そして、自分が思い出したのは同じくジブリの『レッドタートル ある島の物語』だろう。個人的なことを書けば二作ともひとりぼっちで観た体験もあるが…… ここでは『ルー』と『タートル』との関連を自分なりの考えで書いてみたいと思います。

 

 

こちらもお願いします。

eizatuki.hatenablog.com 

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ここから先はネタバレになります。映画を観ていない方にはおススメできません。

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『メッセージ』は、どれだけ『あなたの人生の物語』になったのか?

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][加筆修正有]

 


映画『メッセージ』本予告編 

 

プリズナーズ』『複製された男』『ボーダーライン』の作品からシリアスなイメージをもっていたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のばかうけ発言で自分のだけの好感度が爆上がりの監督の新作『メッセージ』。観終わった後には自分の思い出がよぎって不覚にも泣きそうになった。もっともそれ以前に泣いたのは『ローグ・ワン』だし、その前は『スター・トレック BEYOND』で泣きそうになったので、いわゆる「お里が知れる」訳なのだが(苦笑)……

 

原作はテッド・チャンのSF短編『あなたの人生の物語』なのだが、コアなSFファン向けの原作に対して『メッセージ』には小説のアイディアが変更されており、異なるアプローチがされている。なのにそのテイストは『あなたの人生の物語』であり『メッセージ』だ。ここでは自分のSF的解釈をひとつだけ書いて。あとは映画にそった解説をして。題名どおりこのメッセージが何なのかを自分なりに締めたいと思います。

 

 

原作『あなたの人生の物語』のSF解説ここ。

前野[いろもの物理学者]昌弘:SF短編書評 

 

映画『メッセージ』のSF解説はここ。

「【至急】エイリアンの宇宙船ってどうやって動くんですか?」映画『メッセージ』スティーブン・ウルフラムのSF考証裏話 - 100光年ダイアリー 

 

 

ここから先はネタバレになります。観ていない方にはおススメできません。

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー :リミックス』におけるオッサンホイホイのポイント

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


アイツらが帰ってきた!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』予告編 

 

マーベルの新喜劇(笑って笑って最後に泣ける)枠の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は前作よりもより楽しくなっている。メンバーはよりおバカに、ドラマは「昭和かー!」と、言いたくなるほどに泥臭い。しかもキーマンはテッテッテケ-のあの男(声:ささきいさお)だ。

 

そして、前作よりも全体のビジュアルイメージがハデになっていて自分としては色々なモノを思い出してしまたったことをここに書いてみます。 

 

 

ここからはネタバレになります。映画を観ていない方にはおススメできません。

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