えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『22年目の告白 私が殺人犯です』は何を「発見」したか?

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


22年目の告白 予告編 

 

韓国映画殺人の告白』(以下、『殺人』と略)を翻案にした『22年目の告白 私が殺人犯です』(以下、『22年目』と略)は観終わった後に誰もが感じるとおり藤原竜也劇場だ。彼のキャリアと繊細な演技力がなければ成立しない映画だ。そして共演の伊藤秀明の無骨な演技がうまくはまって新しさはないものの楽しめるつくりになっている。

 

ミステリーとアクションの二本仕立ての『殺人』と違って『22年目』はミステリーが主で展開する。そして『殺人』にはないある「捻り」を加えたことで情緒的な終わり方をした。それがドラマとして感動できるのか、それとも冗長と感じるのかが『22年目』の楽しみ方の分かれ道かもしれない。そしてその「捻りに」に自分としてはモヤモヤしていたのを感じていた。『殺人』や『22年目』両作に描かれる「法と正義の問題」ではない別のモノだが、このブログを読んでそのモヤモヤに気がついた。(ちなみに原作は未読)

 

blog.monogatarukame.net 

 

ここでは、それを基に書いてみたいと思います。

 

 

こちらもお願いします。

eizatuki.hatenablog.com 

 

これから先はネタバレになります。映画を観ていない方にはおススメできません。

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『ダーククリスタル』の思い出話

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


The Dark Crystal: Age of Resistance | Teaser | Netflix 

 

NETFLIXで、あの『ダーククリスタル』の前日談が放送されるの機に思い出話をしようと思います。

 

japanese.engadget.com 

 

スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』ではさらに磨きがかかったSFXと共にファンの間でちょっとした話題になったのはジェダイマスターのヨーダの動きだった。CGI技術が無い時代、ヨーダの造形が着ぐるみでもストップモーションアニメーションでもなくマペットであるのは知っていたのはいたのだが、それが違和感なく映画に馴染んでいたのだ。それまでマペットといえば教育番組『セサミストリート』のカーミットクッキーモンスタービッグバードのイメージだったから。

 

だららマペット ーーアニマトロニクスも若干入っている-- を使って異世界ファンタジーを作り上げたのが『ダーククリスタル』だ。個人的な期待はあった。

 

しかし、公開規模のせいか大都市ならともかく、当時は地方に住む子供の自分が劇場でリアルタイムで観る事はなく、数年後のレンタルビデオでこの映画を観た。

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『ローガン』雑感:こうしてローガンは……

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][加筆修正有]

 


映画「LOGAN/ローガン」TVCM (STORY編30秒) 

 

LOGAN ローガン』はアメコミの事件だ!という振れ込みはどうでもよくて『ローガン』はアメリカでしか成立しない、いかにもアメリカな映画だ。それは「ヒーローとは?」の問いを続けてきた歴史の浅い新しい国家アメリカならでもある。歴史のある国なら「何をいまさら」の部分を照れもなくできるから。

 

後で原作があるのは知ったが読んではいない、そんな自分がここでは感想というよりも映画を観た雑感だけを書いてみたいと思います。

 

 

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eizatuki.hatenablog.com

eizatuki.hatenablog.com 

 

ここから先はネタバレになります。観ていない方にはおススメできません。

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『美しい星』はどこまで『美しい星』になったのか?

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


美しい星 - 映画予告編 

 

個人的な話から入るが、亡くなった友人からかつて三島由紀夫の『豊饒の海』の話を聞いたことがある。友人によると『豊饒の海』は「物語(ストーリー)の歴史(ヒストリー)を描きつつ、その解体を目指した」。要約するとそうなのだが、読んでいない人には何のことやら?だろう。実際に自分も後で読んだことはあるがそうだったし、現在ではその内容もほとんど覚えていない。

 

しかしその時、そうならば三島由紀夫は新たな「歴史(ヒストリー)としての物語(ストーリー)」を構築しようと考えたのではないのか?それが『美しい星』ではないのか?そんなことを『美しい星』を観て思い出した。純文学よりSF小説を好んで読んでいる自分としては嗜みとして『美しい星』は読んでいたから。

 

『美しい星』は結構に変な小説だ。物語と登場人物の葛藤を自分なりの文体で展開する通俗とは違って純文学はその作家の情念を他が真似のできない文体で展開する違いは理解していても、やっぱり変だ。シュールと言い換えても良いかもしれない。

 

そして映画では小説と違い大きな変更点が二つある。ひとつは核戦争の恐怖を環境問題に変えたこと、そしてアレだ……そこで映画は原作から何を抜き取ったのか?

 

ここでは自分の思い出を基にして、その部分と映画の感想を書いてみたいと思います。

 

 

ここから先はネタバレになります。映画を観ていない方にはおススメできません。

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