えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

<ネタバレ>『フューリー』を面白く見る二つの要素

『フューリー』はやっぱりデビッド・エアー監督の作品でした。

フューリー : 作品情報 - 映画.com

よく分からないところであるので書いてみる。



〇 SS (ナチス親衛隊)
ナチス親衛隊とは - ニコニコ大百科 - ニコニコ動画
ナチスの突撃隊(SA)と親衛隊(SS) - ナチスの狂気

SSは国家としての組織ではなくナチス党としての組織であることはわかるが、さらに極端にいえば   “ ヒトラーの私兵 ” である。ヒトラー=SSであるといってもよい。作中で逆らったドイツ人を縛り首で吊るしているシーンがあるが、それは国家に逆らったからではなくヒトラーの意思に逆らったからであるからだ。だからウォーダディがSSを憎むのはヒトラーを憎んでいるのと同じことなのである。もっとも、ラストではある “ 捻り ” を加えてSSも人間であるのを表現している。


〇 白馬
Armageddon 6 C6 P12 - Biglobe
ユニコーン - Wikipedia

聖書が随所にある作品ではあるが、冒頭に現れる白馬から示されるのは作品の展開は「黙示録である」の暗喩であろう。黙示録は始まってしまえば途中で止めることはできない。最後までやるしかない。クライマックス前にフューリーの前でウォーダディが「ここが家だ」と言うシーンがあるが、それは義務や愛着からではなく「元には引き返すことができない」という悲痛な意思の表れでもある。そして白馬はまたユニコーンを連想させる。ユニコーンは “ 死 ” を隠喩している。だからラストシーンでフォーリーの下で隠れていたノーマンに白馬の足だけみせた描写の意味は「ノーマンの魂は死んだ」の意味である。ノーマンは死にマシンが生き残ったと思ってもよいだろう。


実際のM4シャーマンやタイガー重戦車を使っての撮影は内容に関係なく資料的な意味で今後、軍事マニアに語り草になるのかもしれない。



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