えいざつき ~映画と世情と日常と~

主に映画の思い出について書きますが。基本は自分の思った事をつまり妄言を書きます。

<ネタバレ?>『ミケランジェロ・プロジェクト』を楽しく観る二つの要素とおまけ

ミケランジェロ・プロジェクト』を観ました。



ミケランジェロ・プロジェクト : 作品情報 - 映画.com 


クライマックスに掛けているのだろうけれど、原題の『The Monuments Men』が個人的には好きです。なぜならモニュメンツ(記念碑)の方がこの映画の面白さを伝えているから。以下、ブログ主が思っていることを書きます。


総統美術館

ルーヴル美術館 - Wikipedia 
ル-ブル美術館の謎 - gooな話し - Gooブログ 

簡単にいうと美術館の歴史は「収奪と防御」でもある。ヒトラーは敬礼からみるように彼はローマに「憧れている」そしてローマの再興しようとした先輩であるナポレオンを充分に意識しているのは間違いない。ナポレオンはその栄光をより輝かせるために側近のドミニック・ヴィヴァン・ドノンを通して支配地域での美術品の「接収」していった。はっきりと美術史の黒歴史なのだが、それは美術館の根本を形づけたものでもある。
もちろん総統美術館はヒトラー好みの退廃的といわれたダダイズム以前の「美と力強さ」の作品が飾られるのは映画を観ても何となくわかるようにはなってはいるが、それは映画でのヒトラーナチス、そして連合軍の一部が「モニュメントは心の嗜好品である」という認識に立っているからだ。そして、それは一般的な感覚にもなっている。


つまりこの映画を面白く観るには美術とは「何か?」というこのキモがぼやけていると「つまらない」になってしまう。どうして「命を掛ける」のかが分からない。


モニュメンツ・メン

連邦美術計画(れんぽうびじゅつけいかく)とは - コトバンク 
メトロポリタン美術館 - Wikipedia

原作となった『ナチ略奪美術品を救え--特殊部隊「モニュメンツ・メンの戦争」』(27年10月に『ミケランジェロ・プロジェクト 上・下』で角川文庫化)によるとモニュメンツ・メンは約350名で戦地に立ったのは60名。それだけの部隊が組織できたのは時のルーズベルト大統領が芸術に好意的で経済復興に芸術家を登用した「下地」がひとつの要因としてあったからだろう。しかも芸術家達がモニュメンツを救出するのはそれが「市民の記憶」であることを身をもって知っているからだ。映画でグレンジャーが観るナチがユダヤ人から強奪した調度品やレコード(これもモニュメンツ)からの孫の声に涙ぐむキャンベルの描写からそれらが人々の「記録」であることが示されていることなどからもそれはわかる。記憶が長い間につまったものがモニュメンツなのである。つまりモニュメンツ・メンが送還するのは「歴史的財産」ではなく「人の生活」なのだ。


おまけ:煙草

ルーニー監督は『グッドナイト&グッドラック』 (2005) で主人公のエド・マローの “意思" の描写に煙草の煙を使っていたが、この映画でもそれが使われている。グレンジャーとシモーヌが刑務所で初めて会ったときにモニュメントの居所を探り出そうするグレンジャーにシモーヌが煙草の煙をくゆらせながら応じるが、それはグレンジャーに対する “心の壁” として描写されている。次にキャンベル達が若いドイツ兵と鉢合わせをしたときに煙草の煙をくゆらせることで “言葉のない会話” を描写して。クライマックス前にストークスが捕まったドイツ将校に吸わない煙草の煙を吐き出させることで “”敵意” を描写している。煙草で感情を描写しているのだ。


今回は好意的に書きましたが最後に苦言をひとつ……

この監督はシリアスしか撮れないんじゃないのか?


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