ここでは個人の記憶によって書いております。[敬称略]
日本映画とハリウッドの名優といえば、70年後半から80年代に角川映画に出演していたのは『暴力脱獄』や『裸の銃を持つ男』にも出ていたジョージ・ケネディだろう。
まぁ、ジョージ・ケネディが日本映画によく出演してくれたのは確か。角川映画以外なら。東映Vシネの『復讐は俺がやる DISTANT JUSTICE』にも出演している。それにはそれなりに訳がある。
『季刊 映画宝庫 No9』によると『人間の証明』の製作の角川春樹が映画評論家の石上三登志との対談でこう答えている。
ジョージ・ケネディに決まる前、いろんな人に当たったけど皆コマーシャルで高くとってるからぶっかけてくるんだ。ロイ・シェイダーなんて「マラソンマン」に十万ドルで出てて、50万出せって。フザケルナといいたかったね。もっとひどいのはテリー・サバラス。「コジャック」で人気が出たから百万ドル出さないといやだって。日本という国自体がなめられてるんじゃないかと思って口惜しかったですよ。
つまり、当時のハリウッドスターは多くが日本のテレビコマーシャルに高額で出ていたから、コマーシャルに出演していなかったジョージ・ケネディが引き受けてくれた。のが真相らしい。
角川映画と日本映画とジョージ・ケネディの縁はここからはじまった訳だが、実は角川映画からハリウッドスターになった俳優がいる。
エドワード・ジェームズ・オルモスである。
エドワード・ジェームズ・オルモスはキャリアの初めごろ角川映画の『白昼の死角』と『復活の日』に出演して後に映画ファンなら誰もが知っている『ブレードランナー』に出演。TVシリーズの『マイアミ・バイス』で人気を得て映画『落ちこぼれの天使たち』でその年のアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされている。SFドラマファンならTVシリーズ『GALACTICA/ギャラクティカ』のアマダ艦長で知っている人もいるかも。この人が日本映画からハリウッドスターまで登りつめた俳優なのだ。
ちなみに『ロード・オブ・ザ・リング シリーズ』のウィゴ・モーテセンはかつて東映Vシネマの『ヤクザVSマフィア』に無名時代に出演しているが、キャリアはそこそこあるから番外だろう。そして現在まで日本映画に出演したハリウッドスターは『八月の狂想曲』に出演したリチャード・ギアが最高だろうと思います。