えいざつき ~映画と世情と日常と~

主に映画の思い出について書きますが。基本は自分の思った事をつまり妄言を書きます。

『グレートウォール』を『初恋のきた道』で語ってみる。という暴挙をあえてやってみました

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


『グレートウォール』 "伝説の怪物が、ついに襲来" 本編映像  

 

『グレートウォール』、マット・デイモン主演だから万里の長城モノとはいってもPROMISE 無極』のような中華ファンタジーだと予想していたのだが、まさかの『仮面の忍者 赤影』系の大怪獣映画でした!

 

バトルシップ枠!」とか「中華版スターシップ・トゥルーパーズ!」とか公開後すてにトンデモ超大作に認定されつつある『グレートウォール』の監督はあのチャン・イーモウ。らしくない!と言いたくなるくらいに、この映画ではハリウッド大作映画の展開や演出が表に出て監督本来の雰囲気は見当たらない。

 

それでも「残り香」のようなものはある。色使いや音の使い方などは監督の持ち味が微かにあるし何より今度の怪獣がイーモウ監督らしさを残している。

 

ここでは同じイーモウ監督の『初恋のきた道』を使ってその部分を書いてみたいと思います。

 

 

こちらもお願いします。

eizatuki.hatenablog.com 

 

ここからはネタバレになります。映画を観ていない方にはおススメできません。

 

初恋のきた道』は主演のチャン・ツィイー演じる少女が都会からやってきた青年教師に恋をする話だ。見所は恋がどうゆうものかもわからない --何しろテレビもマンガも無い舞台だから擬似的な何かが無いーー 初めての体験をする少女の振る舞いと周りの反応だ。それを観客はそれぞれの思いをこめつつ観る。

 

一見、ほほえましくなるし、実際のところこれは「チャン・ツィイー主演のアイドル映画」と評価する人もいるだろう。しかし、クライマックスで青年教師は村を去ることになるが、その理由が文化大革命だ。つまり、権力批判の部分がひょっこりと現れる。

 

もっとも文化大革命は現在では中国共産党は「失敗」と認めている、いわば黒歴史なので、過去の話なのかと思われるが、これが「権力は誰かの人生を容易に変えることができる」と読むと筋は違ってくる。 

 

同監督の『HERO』は「権力者が自分の都合で学問を虐げる」話であり「暴力よりも学問が大事」というメッセージをもつ作品もある。これも権力批判だ。

 

それでは、『グレートウォール』に権力批判な部分があるのか?ある。今回戦う怪獣である饕餮(とうてつ)だ!

 

饕餮が出現した理由はちゃんと映画の中で語られているし、ウィリアム、ペロ、バラードを見ていれば容易に「欲望」を描いているのが分かる。その対にリン将軍の「信頼」も描かれている。

 

なによりエンタメに徹するなら饕餮と長城の攻防を主として描けばよいもののあえて饕餮が壁を破壊して都に行軍する展開にしたのはある意図をもっているといしか思えない。それは……

 

欲望に身を任せて肥大化するとやがて祖国を滅ぼすぞ。と。

 

これがらしくない『グレートウォール』でのイーモウ監督の「残り香」だと自分は考えている。

 

もっとも、「そうじゃないかな?」と気が付いたのは観終わって一日過ぎたあたりだし、さすがに今回は論旨がいつも以上に怖ろしく強引過ぎるのはお断りしておきます。

 

何よりもこのイベントを楽しむのが正しい観方であるのは当然といえば当然!

 

 

 

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