えいざつき ~映画と世情と日常と~

何かの感想というよりも、それで思い出した事を書きます。映画、SFが多めです。そして、たまに妄想が暴走します。

『ワンダーウーマン』雑談:もやもやの原因。またはクリス・パインの役割について

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


映画『ワンダーウーマン』本予告【HD】2017年8月25日(金)公開 

wwws.warnerbros.co.jp 

 

ワンダーウーマン』、面白いとは思いつつもどうも個人的にはノレなくて、そのモヤモヤの原因を捜していたが、二回目でどうやらこの原因の中心にはクリス・パイン演じるスティーブ・トレバーにあるのではないのかと考えた。

 

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予告より

 

ここでは、この映画で自分が感じたモヤモヤとクリス・パインが演じたスティーブ・トレバーについて思ったことを書いてみたいと思います。そのため今回は少しだけ下品な書き方になります。

 

 

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ここから先はネタバレになります。観ていない方にはおススメできません。

 

kotobank.jp 

 

結論から言ってしまうと『ワンダーウーマン』のモヤモヤは観ている自分が自由主義の考え方にどっぷりと使っているから。人間の自由と平等を当然のものだと受け取っているからだ。

 

しかし映画の設定は第一次世界大戦を中心にして描かれている。国連世界人権宣言はまだ先の話だ。表向きはスーパーヒーローなので、歴史や実録の視点では観れずにどうしても現代の視点で観てしまうからくるモヤモヤだ。つまり、映画の時代設定と自分の認識のズレからくるのが原因だ。

 

しかも映画の時代設定は、いわゆる白人男性の価値観を主にしているのに男どもがワンダーウーマンことダイアナにことさらつらく当る展開や印象はない。映画の男の視点で考えると何となくだが分かる。それは自分の立場をごく当然として受け取っているから。そして、これを批判的にことさらに強調しだすと、作品の時代設定とスーパーヒーローに不協和音をもたらすから。早い話、エンタメとして成立しなくなる。

 

そして、この映画を社会派ではなくエンタメにしているのがダイアナに付き添うスティーブ・トレバーだ。彼は当時としての男としては、多様な視点をもっている。いわゆるリベラルの考え方に近い。目の前で秘書の悪態をかるく受け流し、ネイティブ・アメリカンや肌の色が違うだけで役者になれなかった男や過去の傷をもった狙撃手などの者たちとも交流がある。しかも、この大戦の本質を知りながらもそれに立ち向かう気合ももっている。人を騙すスパイであるはずなのに。まさに船の上で自ら語ったように(当時としては)標準以上の男だ。ナニではなくて。

 

もっともそれは学問による教養から生まれたのではなくて彼自身の過去の体験から生まれたのは分かるのは。戦線にある村をドイツ軍から開放した後のダイアナとの一夜で何となくだが示される。ダイアナから戦争がない状態がない生活を質問されてのテレバーの「朝食を……ちょっと分からない」といっているのだから。彼が普通の人生を送っていないのは薄くだが分かる。そして、おそらくつらい人生を送ってきたことも。だから、だからこそ多様な視点をもっている男であることもだ。

 

クライマックスのアレス戦でトレバーの死で我を忘れたダイアナがドイツ兵を殺したあとアレスから差し出されたドクター・ポイズンの剥がれるマスクを見て彼女もまた「何かの原因でこうなった」の知り。そしてワンダーウーマンが今まで倒したドイツの人にも「これから、そうなってしまう」可能性を悟る。橋で出会った負傷兵たちと同じに境遇にさせた可能性をだ。それを教えてくれたのがトレバー(の時計)だ。「ことはそう、単純ではないと」。

 

こうしてスティーブ・トレバーはワンダーウーマンことダイアナのこれから生きる指針、つまり「良心」になった。この映画のドラマはそこにある。

 

そして、この映画の最大の工夫、または嘘はそのトレバーを演じるのが今風でいうのならイケメンのクリス・パインなのだ。トレバーの設定なら、普通は無骨なルックスにするはずが、見た目はどうみても甘いマスクの彼なのだから。そのモヤモヤに気がつかないのは当然だ。おそらくソレをしてしまうと映画が必要以上に重い方向に展開されてレイティングの関係もあって、表向きからトレバーの「辛酸」がにじみ出ないようにしたのだろう。

 

 以上が『ワンダーウーマン』二回目で感じたことだ。もっと最初で分かっていたらものすごく楽しめたに。ちょっと残念。

 

 

 

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