えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『ブラックパンサー』のネタバレ無しの感想

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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marvel.disney.co.jp

 

アフリカにある牧畜と農業の国、ワカンダにはある秘密があった。古代に飛来した鉱石ヴィブラニウムに巨大なパワーがあったがために、それを基盤にした超文明を築き上げていたのだ。しかし、その悪用を防ぐため、それは秘密とされ歴代の国王に引き継がれていた。ワカンダの新たな国王となったブラックパンサーことティ・チャラは武器商人のクロウがヴィブラニウムを闇で売りさばかれようとするのを防ぐために動くが、クロウにつくエリック・キルモンガーの意外な過去に、国王としての選択を迫られる事に。

 

 KUBO/クボ 二本の弦の秘密を観終わって「素晴らしい」と感じたのは架空の日本なのにそれが何の違和感もなくしっくりとしていた部分だ。これはおそらく自分以外にも感じたはずだ。だからこそ日本ではこの映画に関しては批判的な意見が目立たなくなっている。むしろこの映画のスタッフに「ありがとう!」と賛辞を送りたくなる気分になる。

 

この映画もおそらくはそうだろ。「ありえたかも知れないもうひとつのアフリカ」を画で示したことで世界中のアフリカ系の人々が感激しているのは想像ができる。

 

そして、それが素敵なのはアフリカ系の人々の留飲を下げるだけではなく、今でも続いている自分たちへの理不尽な仕打ちに対する「答えらしきもの」の要素のひとつにもなっているところだ。クライマックスでチャラとキルモンガーが共有できた「ある風景」とワンセットでだ。つまり「誇り」だ。「理不尽には怒りではなく誇りで立ち向かう」という心構えだ。それはフルートベール駅で』を怒りで撮らなかったライアン・クーグラー監督のメッセージでもあるのだろう。それが、この映画が共有と共感をもって支持されている理由かもしれない。甘ちゃんかもしれないが、希望は元々は甘いモノのだし。それでも希望をもつ人は世界中にいる。だから、これは「希望」を描いた映画でもある。

 

と絶賛モードで書いてはみたが、アクション映画として単純に楽しめたのかともいえばそうでもない。ジェームズ・ボンド映画のようなアクションを観ても「ボンド映画のスタッフならここは上手く撮るのだろうな」と思ったり。クライマックスでチャラとキルモンガーが貨物列車を挟んで対峙するアクションなどは、ついドニー・イェンカンフー・ジャングルを思い出してしまって。帰ってそこの部分だけ -- 貨物列車ではなく自動車道だけども。-- 観て「やっぱりイェン先生はいいなぁ」と思ったりしたりで、なんだか「不純な自分でごめんなさい」な感想なのだ。

 


「ブラックパンサー」予告編

 

 

Black Panther: The Album

Black Panther: The Album

 
ブラックパンサー (オリジナル・スコア)

ブラックパンサー (オリジナル・スコア)

 

 

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