えいざつき ~映画と世情と日常と~

何かの感想というよりも、それで思い出した事を書きます。映画、SFが多めです。そして、たまに妄想が暴走します。

ネタバレスレスレ感想『若おかみは小学生!』:それは秋の冷たい水のような感動的な話

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.waka-okami.jp

 

令丈ヒロ子・亜沙美原作の児童文学のアニメーション映画化。小学6年生の女の子おっこ(関織子)は交通事故で両親を亡くし、祖母の経営する旅館「春の屋」に引き取られる。そこで彼女が出会ったのは祖母・峰子の幼馴染であり幽霊となってしまったウリ坊(立売誠)であり、ライバルである巨大旅館の娘ピンふり(秋野真月)の姉であり幽霊のみよちゃん(秋野美陽)。そして魔物の鈴鬼というこの世の住人ではない者だった。そして、おっこは跡継ぎとして「春の屋」で働き様々な人に出会い成長してゆく。

 

まず最初に認めておくべき前提として、このアニメーションは児童文学の映画化で主人公のおっこは「同じ世代が憧れる女の子」として描かれているところだ。それを前提にしないと、荒唐無稽として見てしまうからだ。だから、お約束として認めるしかない。ちなみに原作は未読。

 

世界観は神道と仏教のごった煮。つまり神仏習合だ。冒頭は神楽から始まり、魔物の鈴鬼は「面倒な客を呼び込む」というところから神道だし、ウリ坊はおっこの祖母、峰子のために、みよちゃんは妹の真月のために成仏できないでいる。そして「生まれ変わり」の台詞もあるので仏教だ。

 

そして春の屋に来る「面倒で訳あり」な、お客様の挿話を観れば、このドラマが何を描こうとしているのかが見えてくる「未練を断ち切る」だ。ここで言う未練は文字通り「ある物事にこだわって先に進めない心」でもある。

 

第一に主人公のおっこが大きな未練を断ち切れないでいる。それがある瞬間に最大級の衝撃として、この女の子に襲ってくるのだ。

 

それをどうやって「立ち直す」のか?子供向けなので「挫折して壊れる」は論外としても定番なら「新たな繋がりができて」未練を断ち切る。だろうが、ここではソレとは違い、立ち直る源は「職業人としてのプライド」なのだ。だからこそ最初に描かれた一見無駄だと思えてくる所作や掃除なのどの修行シーンがボディブローのように地味に効いてクライマックスに大炸裂する。ドラマとしての段取りが見事に決まっているのだ。

 

そして、そこからは「健気」とか「カッコ良い」とかとはまったく違う感動が湧き出てくる。つまり「凛」だ。「凛然」とも言う。

 

つまり、おっこから放つ「凛」という身が引き締まる。その美しさに感動している。ことになる。-- クライマックスが秋になっているのも大切な点だ。

 

それからすべては、あのラストシーンへと導かれゆく、それは切ない感情よりも、「何か壮大な一部に触れた」感情になり気持ちも高揚してしまう。いや、参りました。

 


【公式】『若おかみは小学生!』9.21(金)公開/本予告

 

 

また明日

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