ここでは題名と名称を恣意的に表記します。［敬称略］
海法紀光と千葉サドルによる異色学園マンガをオーディション番組から誕生したアイドル「ラストアイドルファミリー」の４人で実写映画化。私立巡ヶ丘学院高等学校の胡桃、由紀、悠里、この後に加わる下級生の美紀の４人は学園生活部に所属している。彼女たちは学校で寝泊まりし、24時間共同生活を満喫していた。屋上の菜園で野菜をつくり、みんなと一緒にご飯を食べて、おしゃべりをする。そんな楽しい彼女たちの学園生活は校舎にはびこる "彼等" のせいだった。
韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』は国内にゾンビウィルスのパンデミックが起こり、襲い来るゾンビと立ち向かいながらも、娘を安全地帯である釜山へと送りと届けようとする父の姿を描いた、後味が切ないゾンビ映画だった。
この映画では最終的にはあの２人だけが残るのだが、どうしてそうなのかと云えば、自分はプロテスタントの携挙と引き上げをモチーフにしていると考えたから。映画の中で娘が歌うのがイエスキリストの再臨を讃える讃美歌としてのアロハ・オエが使われているから、そう考えただけなのだが。
『がっこうぐらし！』は『カメラを止めるな!』や『シックス・センス』を思い出させるトリッキーな展開な印象的だが、どうしていきなり『新感染』から、はじまったのかはクライマックスからラストにかけて「あり得ない」ことが起こるからだが、それは後述するとして、『がっこうぐらし！』の話に戻ると、この映画ゾンビ映画であると同時に作詞家というより、今やアイドルプロデュースの側面が強い秋元康が主催したオーデション番組『ラストアイドル』から選出された４人を使ったアイドル映画なのだ。
アイドル映画だから、画として派手な見せ場はあるが、細部の詰めが甘く、興が削がれるどころは所々あるし、演じているのがアイドルなので素人からみても初々しさはあれども演技が拙いのがまる分かりで、それが全編にわたって繰り広げられる。そして、ドラマとしては表向きはホラーだが、「好きな人との別れ（ゾンビに襲われる）」、「親友との別れ（ゾンビに襲われる）」で、さらに「恩師との別れ（ゾンビに襲われる）」のシーンで、本質としては「青春学園ドラマ」であり、アイドル映画なのだというところが見えてくる。
だから、これをちゃんと楽しめるのは15・16歳を中心とした層で、それを認めなければ観続けるのが結構シンドイ。だから、そこは黙認するしかない。
脚本は良くできている。「青春」と「ゾンビ」の融合が見事に行われている。
ここで先に述べた『新感染』での「あり得ない」の部分について語ると、主役のひとりである胡桃がゾンビに囲まれて諦めかけたときに彼女をかばって死んだ初恋の先輩が幻想となって傍らに現れるのだが、その時に彼から渡されたリストバンドが別のシーンでゾンビに腕を噛まれるのを防いだ（胡桃のリストバンドと先輩のリストバンド）のだが、よく考えるとおかしい、死んだ人間からリストバンドを受け取ることなどできるはずがないからだ。リアルが破綻している。
それが、どうやら意図だったと分かるのは、学校から離れる（卒業）際に悠里が閉じる本が聖書なので、あれは奇跡の類だったのかと暗に示すところだ。絶望の中で4人が生き残ることができたのは、「誰かの愛に見守られていたから」だと。宗教がベースにあるので、『カメ止め』より『新感染』に近いと感じたのは、そうゆう事だ。
だから、この映画はオリジナリティと共に海外で高く評価される可能性が高い。
「それでお前はどうなのか？」と問われれば、自分はそれにまったくノレなかった。感心はしても感動はできなかった。理由は簡単。親と子のドラマに感情が揺さぶられても青春学園ドラマで感情を揺さぶられる感性は今はもってはいない。それだけだ。
そうゆう訳で今回はゴメン！で締めます！
「ラストアイドル ファミリー」メンバーが絶叫！“かれら”に襲われる！？映画「がっこうぐらし！」予告編が公開
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