えいざつき ~映画と世情と日常と~

何かの感想というよりも、それで思い出した事を書きます。映画、SFが多めです。そして、たまに妄想が暴走します。

【ネタバレ無】“それ”が見えたら、〇☆〇〇〇。『IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』

お題「最近見た映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

スティーブン・キングのホラー小説「IT」の映画化であり、「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編にして完結編。前作から27年後。小さな田舎町に再び連続児童失踪事件が起る。幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びた、ルーザーズクラブの仲間たちは、27年前に「それ」を倒すと誓った約束を果たすため、町に戻ってくるが、それは彼等にとってもいまだに残る心の傷との対峙することでもあった。 

アンディ・ムスキエティ監督

 

注意:今回、内容に抵触しそうな個所は白文字にしています。読みたい方は反転してお読み下さい。

 

最近はとんとご無沙汰だが、スティーヴン・キングの書籍はそれなりに読んでいるし、この原作も昔に読んでいるのだが、何せ大長編だ。記憶が曖昧なところも多い。

 

そして、今作は個人的にとっても気に入っているシーンがあるので、今回はそれを書きたいがために進めている。

 

なので、ビクビクしながら書き進める。

 

もっとも、どこから感想を云えばよいのか……前作も含めて、今作もそれほど感情が盛り上がる訳でもないが、かといって大きな弱点・欠点もある訳でもないのだ。要するに「普通」なのだ。

 

そして、今作はホラーで押し通した前作と比べて別のこともやらなければならない。ルーザーズクラブのドラマをIT イットとの戦いをとおしてやらなければならない。その展開自体が、複雑で無茶なのだ。

 

まずは、ルーザーズのドラマとは何かといえば、それはもちろんトラウマの克服だ。一人を除いて27年後の彼等はいわゆる勝ち組に属しているのだが、実は彼等の誰にも子供がいない。それは前作で抱えている子供時代の心の傷を引きづっているからに他ならない。つまり自分で子供を育てる自信がない。彼等はいまだに「負け犬」なのだ。だから今作ではその克服がIT イットとの戦いを通して描かれる。

 

その戦いだが、これを映画化する際に参考にしたのはキングの原作ではなくて別のモノから(もしかしたら原作者のキングも参考にしている?)選択した可能性がある。

 

ざっくりと言ってしまうと前作と今作(原作も含む)はジャンルではホラーではないのだ。これはダークファンタジーなのだ。

 

どうして、そう言い切れるかと云えば、脚本家(ゲイリー・ドーベルマン)がこれを書く際にお手本にしたのはアメリカのSF・幻想作家レイ・ブラッドベリファンタジー小説何かが道をやってくる』だと自分は考えているからだ。

 

『何かが道をやってくる』はアメリカの田舎町に暮らす2人の少年が、ある日町にやってきたカーニバル団が、実は人をさらって奇怪人間に改造させて見世物にする一団だった。というのが大筋で、そのエネルギーの源が「人間の恐怖」で倒し方が「笑い顔」なのだから。どう見たって『IT イット』のエネルギーの源と倒し方の「信じる」を思い出す。そして、『何かが道をやってくる』はホラーではなくファンタジーだ。よって『IT イット』もファンタジー、つまりはダークファンタジーになる。

 

ただ、それが前作で子供中心の視点で描かれるとホラーになり、今作の大人の視点で描かれるとファンタジーになってしまっただけなのだ。それだけの違いなのだ。もう少し付け加えると、前作と今作と同じ「お化け屋敷的な怖さ」で説明するのなら、前作が怖かったのはリアクションが子供だったからで、大人でそれをやっても普通のリアクションなので、ホラーになっていないだけなのだ。

 

元々、キングの小説がプロットを作ってカッチリと収めて書いたりブラッドベリのように詩的な文章を書くタイプの作家ではなく、描写の積み重ねで納めてゆくタイプだ。なのでそれを自分の文体に引き寄せてねじ伏せる(観念でもそれができる小説の強みだ)のだが、映画となるとどうしても画像として具現化しなければならないので、それを出来るのは相当な腕をもった監督でなければ難しいのは分かり切っている。ムスキエティ監督はそこまでいっていないだけだ。

 

辛辣な物言いに聞こえるかも知れないが、巨大な才能を完全にコピー&変換するのは困難だし、-- 事実、キング自身が手掛けた映像作品に傑作はない -- 今作だとホラーの演出はともかくドラマはちゃんと感動もあるのも確かなので、だから「普通」の感想になる。でも、個人的にはばばあが最高なので、そこだけは褒めたい。

 

もう一度言う。

 

ばばあ最高!

 

まるで漫☆画太郎先生がデザインしたばばあが最高なんですよ!ベニーワイズも超えちゃってますよあれは。CGよりもばばあのシワの深さが怖いなんてゾクゾクします。グレイトでハラショーで最高です!これさえ見れたら、他の不満は吹き飛びます。

 

ばばあ最高!

 

以上です。

 

あと、ジェシカ・チャステインがひどい目に遭うのが三度の飯より大好きな人にも至福の2時間49分が楽しめます。

 


IT CHAPTER TWO - Final Trailer [HD]

 

 

It Chapter Two (Original Motion Picture Soundtrack)

It Chapter Two (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 

何かが道をやってくる (創元SF文庫)

何かが道をやってくる (創元SF文庫)

 

  

 

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