注:ここでは内閣、議会、派閥を単に政治として、そして部署、司令部等をまとめて軍として記しています。[加筆修正有り]
『日本のいちばん長い日』が公開されました。(実はまだ観ていない)
映画での終戦までの「どうしてこうなった」感を書いてみました。
ポイントはたったひとつ。統帥権!
大日本国帝國憲法では軍は天皇の下におかれた。ただし、じかに天皇がコントロールする訳ではなく輔弼というかたちで軍が軍自身をコントロールする軍令機関をつくりそこでできたものを天皇に認めさせる(承認させる)仕組みになっている。つまり……
政治から切り離されたシステムになっていた。
そういった理由には明治時代の状況の不安定さが影響している。その時の政治が自分たちのため(人気取り)に軍を使わないように元勲たちが設定した、いわば “安全装置” の役やりを与えられたものだったが、ロンドン軍縮会議(会議の参加者に軍人はいない)での約束を実行しようとしたとき野党から統帥権干犯問題を指摘されたことをきっかけに軍はあることに気が付いた。
俺たちの行動は政治が口をはさめない。
もう少し突っ込めば政治は軍事に対して意見を言うことはできるが、それを実現させる力はない。
政治と軍のパイプ役でいた明治の元勲が居なくなってしまったことから起きた状況だった。
その後におこった満州事変の首謀者を厳しく陸軍自身が厳しく罰せなかったことがさらに状況を加速させて
陸軍はやりたい放題。海軍は漁夫の利を得られるかどうかの流れまかせ、それに対して政治は罰を与えることも拘束することもできない。
口を鋏める
天皇は
張作霖爆殺事件で時の総理をきびしく叱責したことから内閣が総辞職。そのことから
天皇も周りの人も状況のヤバさ(一部のものではなく上の者も関与している深刻さ)を理解して、その後はきびしさを控えて対応。(2・26事件は別)
張作霖爆殺事件 - Wikipediaつまり軍と政治と天皇のディスコニミュケーションが成立。太平洋戦争へと突入、そして終戦へといたる。
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