ここでは題名を恣意的に表記します。[加筆有][敬称略]
『魔法少女 まどか☆マギカ』じゃなかった。ファムファタールだった。
マジカル・ガール : 作品情報 - 映画.com
MAGICALだから「魔法のようなもの」 だ。だからバルバラはダミアンにそれをしたわけだ。冒頭でメモを隠すことで「あなたの本当の姿を消した」2+2が4にはならない瞬間だ。次にバルバラがダミアンにかけた「魔法のようなもの」はどこにあるのか?それは初番にあっさりと出てくる……
パズルのピース。だ。
序盤で宝石店の前でさりげなくルイスに落ちたピースの一片がはっきりとそれを示している。
つまり、ダミアンにプレゼンとされたあのパズルの本当の送り主はバルバラだということになる。これが「魔法のようなもの」だ。言葉にすると。バルバラ「あなたの心には欠けているところがある。それを埋めることができるのは私」と言っているわけだ。
「何かが欠けている」これが主要人物五人のうち四人に共通するものだ。
そして自分はこれがこの映画の本質だど考えている。それにいちばんに近い感覚は共依存だろう。
共依存の原因 共依存の解説
映画にそって簡単にいうと……
ルイスはアリシアのためにしていると行動しているが、実はアリシアに依存している。
先に書いたとおりダミアンはバルバラに依存している。
バルバラは精神科医の夫に依存している。
そしておそらく夫はバルバラに依存している。(そうでなければとっくに夫婦生活は破綻している)
と、まあ結構ややこしい。まるで、欠けたパズル = 共依存 = 愛と展開している感もある。
そして、この感覚から切り離れているアリシアが自らを引き換えに最後にダミアンに掛かっていた「魔法のようなもの」を取り除く。
どうして感覚から切り離されていると分かるのか?それはアリシアは「服とアイテム」を手に入れたがった訳ではなく「魔法少女ユキコ」になりたかったからだ。彼女が優しくて強い性格なのは父親であるルイスが聞くことがなかったラジオの投稿からも分かるように。
だからこそクライマックスのダミアンを見つめるアリシアのまなざしの強さなのだ。
そしてダミアンはバルバラの前で携帯電話を「消した」。2+2が4に戻った瞬間でもある。つまりファムファタールにはめずらしくハッピーエンドになっている。ひとりの少女が自らの命と引き換えに魔法少女になって負の連鎖をたちきったのだから。
あれ?『魔法少女 まどか☆マギカ』とつながった!