ここでは題名を恣意的に表記します。[敬称略]
映画『シン・ゴジラ』公式サイト
『シン・ゴジラ』の公開に便乗した記事を書きます。
こちらの続きになります。
スターログの特別企画として『新春初夢空想科學活動大寫眞館 A SPACE GOZILLA』がNO.4とNO。6が掲載されました。
スターログ - Wikipedia
今回はその続きになります。
前回、この企画の原案とイラストに他の方も入っていることも書きました。その人は映画評論家の石上三登志とマンガ家の白山宣之の両氏です。
石上三登志 - Wikipedia
白山宣之 - Wikipedia
石上三登志は映画評論家であると同時に本業がCMディレクターなのでCMで大林宣彦と関係があったらしく、ツルモトネーム版のスターログでは連載をもっていたこともありました。
白山宣之は不勉強ながら、名をかろうじて知っている程度でマンガ家というよりもイラストレイターだと思い込んでいました。
補足として大林宣彦と石上三登志の原案を脚本として仕上げたのは脚本家の平田穂生ですが、こちらも不勉強でネットでの情報でかろうじて知ったのは『時をかける少女』の挿入歌である『愛のためいき』の作詞をした事と平田オリザの父である事ぐらいでした。
さて、続きの第二部になります。
ゴジラの母ことロザンはワープで銀河宇宙の外に出た。いつしか腹部は蘇えりつつあり、ロザンの赤ん坊ゴジラであるリリンに「ゴジラは戦いを好まない」ことを語りながらワープをし続ける。そのうちにロザンの夫であるクーニンの意識(?)と交信するが、それはマント星の誘惑(?)だった。やがて故郷のゴジラ星にたどり着く前にロザンは力尽き、最後の力を振り絞りリリンだけをゴジラ星へと送り出した。そのときにモモの赤い靴を一緒にするのを忘れてしまう。(続く)
ちなみにこの企画は大林宣彦の個人事務所である。PSCが主体となっているらしいです。
(続き)リリンが着いたゴジラ星はスネアリア人に占領されていて、ゴジラは絶滅かけしていたが、かれらは「ゴジラ皆殺し」を使命としていて宇宙中に平和巡礼としてちらばったゴジラを集めるためにワナの電波を発信していた。上体は女の体だが下半身が毛むくじゃらのカモシカの足であるスネアリア人はリリンの脳から地球の情報をとりだすが、「平和の種族であるゴジラが暴れるなど考えられない」ことから脅威と受け取りリリンを使って波動ビールズ(?)で地球人を発狂させようとする。(続く)
それと、これとは関係がないですが、石上三登志が発起人のひとりであり自分もよくネタに使う映画宝庫は現在も発刊されている映画秘宝のお手本だと考えています。
(続き)ゴジラ星のある洞穴の中で生き残っていたゴジラ達が「地球から帰ってきた子供が拷問されている」と聞いた本物のクーニンが駆けつけるが、そこには同じく子供の危機を感じたロザンがスネアリア人の宮殿を襲っている。リリンを助け出したクーニンはそこでロザンの死をみる。洞窟に戻ったクーニンは仲間のゴジラ達にスネアリア人と戦う事を説いて呼応した仲間達とスネアリア人の宮殿を襲う。スネアリア人はほとんどが宇宙へと逃げたが、クーニンはロザンを殺したガモニ将軍と宇宙で一騎打ちをして形勢不利の危機一髪のところで宇宙に漂っていたモモの赤い靴にガモニ将軍が気を捕られた隙にガモニ将軍を倒す。そしてクーニンはリリンが大きくなったら地球に行くことを考えて、リリンはゴジラ、スネアリア人関係なく負傷者の介護をする。その心中には、あの「モモの子守唄」が聞こえていた。
ここでは最後までゴジラは「善」として描かれています。「ゴジラは怪獣番長」のイメージをもっている自分からはかなり遠いイメージです。おそらく、このストーリーの大部分を大林宣彦が考えたのではないのかと考えています。氏はゴジラを「ひとりぼっち」と解釈しているのでしょう。
ともあれ、人気が無かったのか、それとも、元々が突発的な企画だったのかどうかはわかりませんが、以後スターログにはこのような掲載がなされていないみたいです。 全冊をそろえている訳ではないので、そこは曖昧にします。 そして「あの時のなんでもアリ」のSFブームの熱狂をかいま見た気がしました。