ここでは題名を恣意的に表記します。[加筆修正有][敬称略]
映画『シン・ゴジラ』公式サイト
『シン・ゴジラ』公開に便乗した記事を書きます。
お題は「外国映画の着ぐるみ怪獣映画」
==== 実は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観てきました。
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 : 作品情報 - 映画.com
その評価は「映画が好きなら、必ず観たほうが良い!」ですが、今回はそこについては語りません。実は、そこに出ているジョン・グッドマンが演じているフランク・キングの代表作のひとつに『怪獣ゴルゴ』があるのを思い出したからです。
怪獣ゴルゴ - Wikipedia
『怪獣ゴルゴ』はあの『黒い牡牛』のプロデューサーであるフランク・キングの会社、キング・プラザーズが制作した怪獣映画です。もっとも肩書きはエグゼクティブ・プロデューサーなので、基本としては資金を集めただけだと思います。
アメリカの怪獣映画はそれまでストップモーション・アニメーションを基本とした特殊効果でした。着ぐるみもあったようですが簡単にいうと安っぽい。それに、映画スター程の予算は必要ないにしても、ストップモーションアニメはやっぱりそれなりに予算と時間がかかるし、それが出来る技術者は少数なので量産がききません。ところが『怪獣王ゴジラ』の存在が「そんな方法もアリ」を独立系プロデューサーに気がつかせたのは想像できます。ところが当時のアメリカ特殊効果はメジャーなスタジオでしか撮影ができないので独立系の映画会社にゴジラのようなスペクタクル製作は難しい。そこで、イギリスの特殊効果マンを使って着ぐるみの怪獣映画をイギリスで撮る発想になったのだろう。と、これまた想像しています。
ストーリーは『大巨獣ガッパ』と同じです。おそらく『ガッパ』は『怪獣ゴルゴ』お手本にしたのでしょう。そして、要の特殊効果は印象で言えば。 東宝>ゴルゴ>ウルトラマン といった感じで、「がっかりしない程度」には楽しめます。もちろん、CGIを観慣れたまたはそれしか知らない人にはそれなりの補正フィルターが必要なのはいうまでもありません。
IMDによると『怪獣ゴルゴ』の特殊効果を担当したのはトム・ハワード。後にあの『2001年宇宙の旅』の特殊効果スパーバイザーとしてクレジットされていますし、『怪獣ゴルゴ』の特殊効果を担当したスタジオはカラーフィルムで光学合成を駆使した『バッグダットの盗賊』を製作しています。そのためなのかミニチュアワークより合成シーンが良い出来になっています。
それと撮影監督に『アラビアのロレンス』のフレディ・ヤングが担当しています。これまたビックリです。
そして、もうちょっとトリビアぽいのを書けば、フランク・キングは『黒い牡牛』と『怪獣ゴルゴ』の間にアメリカで『空の大怪獣ラドン』をアメリカで公開しています。おそらく『怪獣ゴルゴ』は海外セールス(主に日本)も視野に入れていたのでしょう。まさに日本と同じ事を考えていた訳です。
自分がどうして赤狩りを題材にした『トランボ』がお気に入りなのかを分かっていただけましたでしょうか?