ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
12月14日は忠臣蔵討ち入りの日なので突発的に書きます。
こちらもお願いします。
公開時に『四十七人の刺客』があるので、便乗とも思われがちだが、れっきとした松竹誕生100周年記念作品であり、そして……
四谷怪談の主人公である伊右衛門が死んでハッピーエンドの映画でもある。
何故ならこの映画での忠臣蔵の解釈は「世間が討ち入りを煽って、世間が四十七士を歴史に残る英雄」になっているから。
つまり、映画を観ている観客を批判している娯楽作になっている。
こんな展開になっているのはテレビのワイドショーに一喜一憂する視聴者を批判する内容になっているからだ。これを題材にした映画『コミック雑誌なんかいらない!』もあったりもする。「テレビが放送するものは大衆が求めているから」の理屈でもある。
そして、ソーシャルメディアが誕生しない時代の映画でもある。
主人公の伊右衛門は世間の辛さ冷たさを経験しているからこそ、お岩を棄てお梅達を殺し浪士達を裏切る。それにも関わらず死後の世界は彼にはとても暖かい、生きているよりも。
いい締めの言葉が浮かばないので終わります。