ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今年一番の感動作!
『スター・トレック BEYOND』で不覚にも泣きそうになったのを何とか抑えたが、『ローグ・ワン』は駄目だった。上映後に目元をハンカチで押さえている変なオッサンを見かけたらおそらくそれは自分だ。
こちらもお願いします。
『ローグ・ワン』の後半に我ながらあれだけ感情が高ぶったのはデス・スターの設計図を手に入れるために奮戦するローグ・ワンこと「名も無き者」達にスター・ウォーズ好きの自分を重ねてしまった訳だけで、ある意味これはスター・ウォーズの「正史」ではなく「外史」であり小難しくいえば「オーラルヒストリー」的な視点をもった映画だからで、それゆえの大感動ともいえる。
けれども、それゆえに古い自分のようなファンには「これからのスター・ウォーズサーガとの付き合い方」をちょっとだけ考えた映画でもあった。
よく指摘されるように「スター・ウォーズは現代の神話」であるということ。
神話は元々は地元の伝承やよその場所の伝承が「ひとつの物語」として組み上げられたモノで『スター・ウォーズ』 もこれも散々にいわれているジェダイ→時代劇から連想される様にあらゆる「過去の引用」から組み上げられた神話であり、それゆえに全世界のファンが作品世界のどこかに感情移入ができるフックが「仕込まれている」。つまり、「神話」や「正史」には皆を束ねるモノがあり、それが巨大なのが特徴だ。
だから、たかがある一族の物語が世界の興亡とリンクできて語られ続ける。
そして神話は巨大過ぎるが上に感動するポイントが皆々で違っており、それは時間が経つに従って増えてゆくことだろう。おそらくディズニーは永遠に『スター・ウォーズサーガ』をビジネスとして続けてゆくだろうから。
結論をいうと「正史」ではどの世代のファンの誰もが一致して傑作として認めるシリーズは誕生はおそらく誕生しない予感だ。長期シリーズの宿命で『007』でも『ゴジラ』でもおこった事が現代の神話スター・ウォーズでもおこる。
そしてディズニーもそれは承知で意識的にファンの「分散化」を図っている。
おそらく自分の様な古いファンは『ルーク三部作ファン』に分類されて、「正史」の不満へのはけ口として『ローグ・ワン』の様なサイドストーリーに感動を集める事になるのだろう。
そして、それはこれからの三部作のファンになる観客にもそれはいえる。
それが神話としてのスター・ウォーズが「やせ細る」のか、それとも「新たな樹」を作る事ができるのかは想像もできないのだけど。
あえて「今さら何を言うか」を書いてみました。
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: V.A.
- 出版社/メーカー: WALT DISNEY RECORDS
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: CD
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