えいざつき ~映画ポエマーの戯言~

映画批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『8年越しの花嫁 奇跡の実話』ちょっとだけ辛目の感想

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

ポスター画像

8nengoshi.jp

 

『8年越しの花嫁 奇跡の実話』は実話の映画化。ふとしたきっかけで知り合って、互いの愛を深め合って結婚まで結びつけた尚志と麻衣。しかし麻衣は原因不明の病で昏睡状態に陥ってしまう。尚志と両親の献身もあって麻衣は昏睡状態から帰ってきて意識は取り戻すが、記憶が失っていた。やがて両親や友人は思い出しても恋人だった尚志だけはどうしても麻衣は思い出せないのであった。

 

 『8年越しの花嫁』は実話に基づく物語だ。だから観客に誰もが納得できる。「愛は素晴らしい」という通念を使ってドラマは展開する。けれども、これがこのドラマの弱点にもなっている。簡単に言うと「尚志はどうして麻衣を愛し続けていられるのか?」が分からないのだ。それこそ尚志が麻衣を愛していることは数多く描写されているのに、そしてそれがクライマックスで炸裂するのに、その根本である描写がされていないからだ。それは尚志が麻衣以外のことで自身の内面が描写されていないことからも言える。「彼らしい」内面はスイカや昼食を食べているシーンでしか分からない。だから尚志という人物の輪郭がイマイチつかみ取れない。

 

「実話だから」その通りだ。「愛に理屈は要らない」確かに正しい。しかしドラマとしては問題だ。視点を変えていえば、通念で「愛は素晴らしい」をメッセージにしても「愛はどうして素晴らしいのか?」までには至っていないからだ。尚志の麻衣を愛し続けている意味が描写されないと、その感動はどうしても深くには達せられない。

 

もっとも虚構ならともかく実話でそれをするのはかなり困難でもある。だけど映画なりのヒントや「それらしきモノ」ぐらいは欲しかった。実話の映画化である『シンドラーのリスト』の主人公であるシンドラーは映画ではどうしてユダヤ人を助けたのかは具体的には描写されてはいない。かわりに少女に赤い色を着色するシーンを二回だすことでシンドラーの心変わりのきっかけは示されていた。『8年越しの花嫁』はそういった「らしき」シーンも見当たらない。

 

言い訳がましくなるが、欠点ではなく弱点と書いたのは、これ以外ではよく出来ていたからでもある。主演の二人は好演しているし、何より画は素晴らしい!それで退屈もせずに観続けられるし、それだけでこの映画は観る価値がある。正月映画でおススメをするのならこの映画になるだろうと自分は思う。

 

逆に言えば、クオリティが高いがゆえに、その弱点も協調して見えてくる問題がこの映画にはハッキリと現れている。そうゆう意味でいえば惜しい映画でもある。

 

 


「8年越しの花嫁 奇跡の実話」予告編

 

 

「8年越しの花嫁 奇跡の実話」オリジナル・サウンドトラック

「8年越しの花嫁 奇跡の実話」オリジナル・サウンドトラック

 

  

8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら

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