えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』のネタバレスレスレの感想

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

ポスター画像

zookeepers-wife.jp

 『ユダヤ人を救った動物園』は実話の映画化。舞台は第二次世界大戦ポーランドワルシャワナチス下の動物園を経営していたヤン園長の妻であるアントニーナが自身に降りかかる危機に怯えながらも家族を愛しユダヤ人を匿い続けた勇気ある行動をポーランドの現代史に絡めて描いてゆく。

 

原作を読んではいないので、あくまでも個人的な見解だが、映画の根底にあるのはポーランドで実在した組織であるジェゴタ(ユダヤ人救済委員会)だろう。つまり他国に蹂躙され続けたポーランドの独立心と反骨心の歴史がアントニーナの夫であるヤンがこの映画でする行動の背景になっている。子供の人権を主張した。ヤヌシュ・コルチャック(映画ではコルチャック先生)はポーランドが誇る著名人だし、ヤンが救おうと彼を説得するのはそうゆうことでもある。ヤンとアントニーナの子であるリシャルトが後半で動物園を危機に落としかねない行為をするのもそれになる。

 

アントニーナがユダヤ人を救おうとするのはヤンとリシャルトとは僅かながら違いがある。学識と反骨心がないアントニーナがソレをする基になっているのは、あるユダヤ人少女との会話で示されている。それでクライマックスでの彼女の行動は論理的ではないが感情として納得できる。

 

それとユダヤ人を助けるためにある行為をしたアントニーナに対して「自分に気がある」と勘違いをして横恋慕をする動物学者でナチス将校であるルッツ。その三者三様の違いが絡んでドラマは僅かにだがスリリングな展開をしている。

 

このような仕上りになったのは、おそらくユダヤ人迫害を「女性の視点」で描かれているからだろう。監督も脚本も女性によるものだし、役割も子供、大人、老人と女性が印象的だからだ。そして、自分は男性なので表現するのが難しいが、従来のものとここで描かれるものとは違うものを感じるからでもある。そうゆう意味では、この映画を本当に評価できるのは女性なのかもしれない。

 

 


映画「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」予告編

 

 

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命

ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命

 

  

ユダヤ人を救った動物園【普及版】――アントニーナが愛した命

ユダヤ人を救った動物園【普及版】――アントニーナが愛した命

 

 

 

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