ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
世界的人気アクションゲームの実写映画化。ロンドンに住むその日暮らしの毎日のララ・クロフトは、実は資産家であるリチャード・クロフトのひとり娘だった。事業より財宝探しを優先していたリチャードは現在は行方不明で、ララは父の安否を気遣う日々を送っていたのだ。ある日リチャードの遺品から、彼が生前に追っていた財宝とそれが絶海の孤島に存在することを知ったララは香港で知り合った船乗りのルー・レンと共にその孤島を目指す。
ゲーム未プレイ者からするとアンジェリーナ・ジョリー主演の『トゥームレイダー』は80年代の余韻を残すアクション映画だった。余韻とはシルベスター・スタローン『ランボー/怒りの脱出』やシガニー・ウィーバー『エイリアン2』のようなアクション映画のことだ。一言でいえば「力押し」のアクション映画でもある。それが、いわゆるタクティカルなアクションに映画が変化していったのはやっぱり『ボーン・アイデンティティー』からだろう。
『トゥームレイダー ファースト・ミッション』もその影響が濃くある。それに加えて今回目指したのはどうやらアクションでララの成長を描写することらしい。前半のそれを箇条書きにすると。
1:最初のムエタイでララの未熟さを描き。
2:自転車でララが何に思い悩んでいるのかを描き。
3:香港でララの潜在能力の高さを描く。
この三つをやってから後半の孤島への怒涛の展開にもってゆき覚醒してゆくララをこの映画でのドラマの見所にしているのだがハッキリいって段取りが見え過ぎるので「うん、うん、そうなるよね」だし。それにジャンプシーンがちょっと多いためにクライマックスが弱くなっている。だから「二つで充分ですよ」とも言いたくもなる。
それに財宝探しの謎解きもイマイチ盛り上がらない。あっさりではなくて謎解きも三段構えで分かりやすくしてはいるのが返って仇になり「そうゆうことなのね」のハッタリ具合を減らしてしまっている。それに根本で「〇〇〇の墓を暴いたら世界が滅びる」のイメージが思いつかないのもツライ。第一にリチャードは何をもって人類滅亡を確信しているのかが分からない。せっかくクライマックスに「真実はこうでした」をやるのなら、それを絡めてもうちょっと工夫をしても良かったのではないのか?
ちなみに個人的には冒頭から「〇〇〇〇の〇〇〇」なんてやらかして日本人ならすぐに突っ込みそうだが、そこに突っ込んだら負けなので軽く受け流したら、まさか船の名前に「〇〇〇」なんてやらかすものだから、思わず「おい!(心の声)」と突っ込んでしまったぞ。あれは『パシフィック・リム』の「萌&健太」並みの不意打ちだ。
まとめると、今回の『トゥームレイダー ファースト・ミッション』はララ・クロフト演じたアリシア・ヴィキャンデルの魅力に支えられたスター映画である。のが感想になる。もっともクリスチャン・ベール主演『バットマン ビギンズ』も最初はそんな感想だったから、続編はもしかしたら傑作になる可能性もあるかもしれない。
映画『トゥームレイダー ファースト・ミッション』本予告【HD】2018年3月21日(水・祝)公開
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