ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
1995年製作の映画「ジュマンジ」の続編。オタクのスペンサー、スポーツマンのフリッジ、美人のベサニー、引っ込み思案のマーサの高校生四人は問題を起こして地下室で居残りをさせられてしまう。そこで見つけたゲーム「ジュマンジ」を興味本位でプレイしたら、スペンサーはマッチョのブレイブストーン、フリッジは体力0のフィンバー、ベサニーはデブオヤジのオベロン、マーサは格闘女子のラウンドハウスのアバターに変換されてジュマンジの中に入ってしまう。ここから抜け出るにはゲームをクリアするしかない。四人はぶつかり合い協力しあいながらゲームクリアを目指す。
紹介で続編と書いたが、印象はかなり変わっている。SFホラー『エイリアン』の続編がSFアクション『エイリアン2』に様変わりしたのと同じくらい。にだ。
個人としても観終わって思い出すのはジョン・ヒューズ監督『ブレックファスト・クラブ』だ。ディーン・イズラライト監督『パワーレンジャー』もヒントにしていたからカルト的な人気なのらしいが、それをリスペクトなのかオマージュとして使っているのか、それとも本当は青春放課後モノがやりたいけども大作だとマリファナの部分が映倫の全年齢対象のGコードを取得できないために直接的に描けないから『パワーレンジャー』はヒーローとして『ジュマンジ』はゲームでマリファナの代わりにしているのだろうか?
ドラマの見所は各キャラが普段とは違うアバターに振り分けられたところからくるとまどい、早い話「ギャップ萌え」で前半をもたせて、後半で違うタイプの人間どおしの友情へともってゆく流れで。これも放課後青春モノではよくあるパターン。-- 最近だと三木孝浩監督『坂道のアポロン』がジャズだとしたら『ジュマンジ』はゲームになる。-- なのだが今作はアバターという工夫がものすごく上手く行っていて、それが新鮮に感じる。
もちろん前作の設定も引き継いでいて、「ニヤリ」とするところもあるし、何よりラストあたりで親なら思わずホロリとするシーンもあって「これは、まいったな」感がある。
結果として『ブレックファスト・クラブ』をお手本にしながら特定の年齢だけではなく大人から子供までの全年齢対象の娯楽と作り上げていて、かなり上手くいっている。これもやっぱりアバター設定のおかげ。
だけど、「ゲーム的な面白さ」を求めると、物足りなさを感じてしまうかも。だけど前出の『エイリアン2』もアクションを優先したばかりにホラーの部分はかなり弱くなっていたから、もうこれは「それはそれ、これはこれ」として認めるしかないのかも。本心を言えば自分はゲームが苦手な方で前作は普通に楽しんだ程度で、一番の興味は、あのときに売り文句にしていた「CGで動物がここまで再現できました」に感動していたから。ドラマで楽しんだのは、この『ウェルカム・トゥ・ジャングル』初めて。
それにアイツ、ジュマンジは『ザ・リング/リバース』のサマラ(貞子)みたいに進化するけど、1996年ですでにCDロムが主流のはずなのに出てくるゲーム機はアタリゲーム風のロムカセットで、それだとテレビゲーム初期のはずなので、ゲームの作りこみもそれほどされていなくシンプルなはず。おそらく次はお約束でCDロムに進化してゲームも少しだけ進化するのだろうなぁ?大ヒットでシリーズ化されるのだろうし。
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