ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
SFアクション『パシフィツク・リム』の続編。最強のモンスター「KAIJU」との最終決戦から10年後、ペンタコス司令官の息子ジェイクは違法となっている巨大ロボット自作イェーガーの部品探しの仕事をしている中、違法イェーガーを所有している少女アマーラと出会い一緒に逮捕されてしまう。罪を逃れるため姉であるマコの仲立ちでイェーガーパイロット訓練所の教官を嫌々ながらも引き受け、同じく訓練生となったアマーラと共に訓練所に入るジェイク。はじめは、かつての仲間ネイトと一緒に訓練生に指導をしていたが、突如現れた謎のイェーガーと遭遇してから若き訓練生たちと新たな戦いに身を投じることとなる。
不満はある。
しかしそれは、ドラマがとってつけたよう!だとか、新田真剣佑ちょっとだけやないか!とか、えっ?あの人もう退場!だとか、あいつがラスボスだったのかぁー!とか、日本やアメリカよりも中国市場を意識しすぎて媚売りすぎ!とか、あの東京可笑し過ぎるだろ!とか、アクションがどう見てもトランスフォーマーじゃねえか!とか、あと、あと、マウンテンフジ!マウンテンフジ!マウンテンフジ!とか。そうゆう事はどうでもいい。
ロボをカッコよく見せないでどうするんだよ!
『パシフィック・リム』でのジプシー・デンジャーの登場シーン。頭部がスッーと下降して本体と合体クルリと半回転して起動、オペレーションを見せつつ、ゲートオープン、激しく雷雨にあたりながら逆巻く波に向かって進むジプシー・デンジャーに比べて……
ジプシー・アベンジャーのアッサリな登場はなに!
同じく『パシフィツク・リム』にキメ技に胸部を開いてミサイルを一斉発射するストライカー・エウレカや、パンチ力を高めるために腕をガシャンガシャンと上下に振動させるチェルノ・アルファとか、クリムゾン・タイフーンの雷雲旋風拳とか。こった趣向が……
ブレーサー・フェニックス等には無いよ!
さらにストライカー・エウレカの危機に登場するジプシー・デンジャーのバックに光(希望の光の意味)がちゃんと入っていたり同じくジプシー・デンジャーににいつも水があたっていて巨大&畏怖を感じさせる演出がこの映画には無いの!
前作にあったフェテシュ&ケレン味な要素をそっくり削ってしまっているのが、この映画だ。リスペクトされていた ガンダムだってカタパルト発進ぐらいのケレン味はあったのに。これにはそれも無いの!
ようするに今回のイェーガーは普通の「兵器」と同じ立場なの。スターとしての魅力が無いの。 -- いや、例外がいた。スクラッパー!脇役なのに主役達を食っていた!!
それではこれを凌駕。と、まではいかなくても一矢報いるくらいの画&描写があるのかといえばそれも無い。兵器なんだから、作戦らしきものでもあれば、武器を効果的に使ってのチームワークプレイ -- くどいが、ガンダムでもジェットストリームアタックはあったぞ!-- でそれなりに盛り上がりもできたしドラマ的にも感動できたずなのに、各自がそれぞれに戦って、まるでプレイをしない格闘ゲームをただ眺めているかのような展開にしかなっていないのもツライ。都市破壊のシーンは確かにメチャクチャにしてはいるが、これも先述した『トランスフォーマー』には及ばないし、これよりも規模が小さい『シン・ゴジラ』でも破壊のプロセスを上手にみせているのに、この映画ではただぶっ壊しているだけ。
クライマックスになんか「熱さ」を表現しているらしいが、先に書いたとおりドラマ部分の演出も薄いから結局は「熱さ」なんて伝わるはずも無くあまり盛り上がらない。
スターに魅力が無い。ドラマが薄い。アクションに工夫がない。何か特別な愛嬌も無い。つまり娯楽としての見所は「大金を使っている」。の感想しかないのが『パシフィック・リム アップライジング』だ。もっとも、これからユニバーサル化されるはずの子供向け明朗活劇映画に対してムキになっている自分が一番どうかしているのは確かだ。
追記:デナイト監督。ロボットモノへの知識が全くないかと言えばそうでもなく、ガンダム以降のロボットにはあるらしい、誰でもピンとくるのが『新世紀エヴァンゲリオン』だ。クライマックスの東京もそうだが、イェーガーのひとつがエヴァぽいデザインだし、暴走するアレもどうみてもエヴァだし、何より「アレがこの地点まで到達したら人類滅亡」の状況までエヴァ。という、何から何までエヴァづくしの映画でした。でもなぁ……。
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