えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『スタートレック The Motion Picture』の思い出話

 ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

 

時は23世紀。惑星連邦と敵対しているクリンゴン艦隊は謎のエイリアンによって破壊された。エイリアンの進行方向には地球がある。事態を重く見た連邦本部はエンタープライズの元船長であるジェームズ・T・カーク少将にエイリアンの対処を命令する。エンタープライズに帰ってきたカークに元のクルーは歓迎を示すが。指揮権を奪われ副長に降格なったデッカーは不満をもっている。やがて船医のマッコイと科学主任のバルカン人のスポックと合流してエイリアンに接触するが、そのエイリアンは驚くべき秘密を持っていた。ロバート・ワイズ監督。

 

これまで観てきたSF映画の思い出をただ書くだけの記事。フラッシュ・ゴードンの次は『スタートレック The Motion Picture』。今回は若干ネタバレになります。

 

1980年夏はSF映画ファンにとってはこの映画と同時にスター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲復活の日が公開された年でもある。そしてあの二百三高地も公開されている。

 

 スター・ウォーズと並んで評されるSFシリーズスタートレックは自分にとっては、どちらかと言えば『宇宙大作戦』が馴染んでいる。もちろんスター・ウォーズがもたらしたSFブームでの影響、早い話がテレビでの再放送を観ていたからでもあるが、だからスタートレックはテレビの印象が強い。この劇場版も最初に観たのはテレビ放送だ。

 

SFX(特撮・VFX)の見所は戦闘シーンだと思われがちだが、この映画ではちょっと違う。見所は宇宙ドッグに入っている宇宙船エンタープライズであり、ドッグから発信するエンタープライズであり、ワープ空間に入るエンタープライズだ。特にワープに入るエンタープライズはSFXを担当した2001年宇宙の旅未知との遭遇ダグラス・トランブルの会社だけあって光のストローク状になったエンタープライズがワープ空間に入る画はその後このシリーズを語るうえで代表的な表現になったほどだ。

 

放送を観ていた友人は期待した派手な戦闘シーンがなかったせいか「面白くなかった」といってそれに自分は「そうゆうもんじゃないから」と反論してはいたが、本心は自分もあの物語の意味は分かってはいなかった。テレビ放送でされたあるエピソードのアイディアを使っていたのは途中で気がついたけども光が乱舞するラストシーンが何なのかピンとこなかったのだ。台詞にあった「進化」で、どうやら「人類の進化」を描いているらしいのを知ったくらいだ。後々にSF作家のアーサー・C・クラークの小説『2010年宇宙の旅』を読んで気がついたのだが、「進化」とは、「機械と人類との融合」だ。「機械つまりAIと人間は知性のレベルでは融合できる」と説いているのだ。個人としての推察では、これは科学考証をしたSF作家アイザック・アジモフの提言だろう。「知性レベルでの融合」は『2010年宇宙の旅1984年)』よりも、この映画が少し早かったわけだ。実に大胆なことをしている。

 

そして、この映画はスタートレックファン、いわゆるトレッキーにはターニングポイント的な作品になる。最初この映画SFXを担当していたのは当時CMなどのSFXで名を売っていたロバート・エイブルの会社で、特徴はCG映像技術がなかった時代にCG「らしき」映像を作り出す技術を持った会社だったが、実際の作業は遅れに遅れた。理由は「今までにないSFX技術を使う」で、「らしき」ではなく本格的に3DCGを開発していたが完成せずに、公開までに完了しないと判断した映画会社パラマウントエイブルを解雇させて先述したトランブルに引き継がせ、さらに『スター・ウォーズ』でのSFXを担当したジョン・ダイクストラの会社(ILMではない)がSFXの残り30%を引き受けている。ミニチャアも使い物にならないから一からやり直した。エイブルのスケジュールは21ヶ月、引き継いだトランブルのスケジュールが9ヶ月で、SFXの作業が完了したのは全米公開直前という超ギリギリだ。ちなみにこの映画でエイブルが担当した箇所が少し残っていて、それはエンタープライズがワープ空間で進行中コクピット内でクルーの顔や体が光でずれているシーンだ。-- あくまでも内部でエンタープライズの外側はトランブルが担当している。

 

公開には間に合ったものの予算が当初よりもオーバーし評価もさほど高くなかったので、原作者でありこの映画をプロデュースしたジーン・ロッテンベリーは以降の映画には関われくなったが、テレビで新たなるシリーズ新スタートレックを制作して人気を博した。

 

つまり、この映画の失敗がなければ、後のスタートレックユニバースなるものが誕生しなかったかもしれなかったわけで、ターニングポイントとはそうゆうことなのだ。

 


Star Trek: The Motion Picture - 1979 - Trailer

 

参考

インターネットムービーデータベース Star Trek: The Motion Picture

バンダイ シネフェクス4

奇想天外社 奇想天外1980-7NO52

 

 

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