ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
マーベルコミックスの「マーベル・シネマティック・ユニバース」に属するキャラクターでもあり『アントマン』の続編。『シビル・ウォー』の件で犯罪者となってFBIの監視下に置かれ自宅軟禁中のアントマンことスコット・ラングは娘のキャシーとの面会を唯一の楽しみにして軟禁を耐えていた。それもあと3日になったとき、ラングはあれ以来音信不通となっていたハンク・ピムとホープに拉致されて彼らの妻で母のジャネットを量子世界から救出する計画に無理矢理引き込まれてしまう。そこに博士の発明を狙う謎の敵ゴーストと武器商人のソニー・バーチが絡み、三つ巴の争奪戦がはじまる。
薄味なのは分かる。
前作の『アントマン』は物語は強奪モノでドラマは父と娘の絆を描いたまさしくスコット・ラングを中心に構成され、敵役のダレン・クロスの野望を阻止することで観客の溜飲が下がる仕掛けになっていたのに対して今作のスコットは事件に「巻き込まれた」態で物語は進みドラマの中心はハンク・ピム博士と娘のホープ、そして敵役のゴーストとビル・フォスターにあり、もう一人の敵役は金儲けのために発明を奪いに来る。ハッキリいって子悪党なので前作に比べて小さく感じてしまうのは確かだ。
しかし、それは意図としてそうしているのが分かるのはゴーストが敵役としては当然の「ある一線」を超えようとしたときに別の人物がそれをするのを押し止める説得をしてゴーストも渋々とだがそれに従うシーンを入れているからだ。つまり、それはアクション映画として盛り上がるスリルとサスペンスを過剰にしないための配慮でしかない。
代わりに何が強調されたかというと「おとぼけ感」だ。ここをこうすれば面白くなるのに使わないのは意図としてそこを外して「ゆるーい感覚」に観客を導いて、終わったあと「ほんわかとした気分」で心地よく綺麗に終わらせる。刺激がなく、他愛もない、だけども観て良かったと思わせる後味。人間味にかなり近づけた「人情モノ」。
つまり、今作はヒーローが大活躍する映画ではなく人情喜劇映画になっている。だから、ここで描かれているスコットことアントマンの立ち位置はキャプテン・アメリカやアイアンマンではなく、『釣りバカ日誌』の浜崎伝助(ハマちゃん)になる。さしづめ娘のキャッシーは『釣りバカ…』だと美知子さんになる。
元々、前作からスコットことアントマンを「カッコよさ」よりも「親しみやすさ」よりで設定されていたので、今作はさらにそれが強調されたのに過ぎない。だからこれでいい。
これでいいのだけれども……
・
・
・
・
こいつは今年のワーストだあぁぁ!!
おいMCU!あのエンドロールはなんだ!?『デッドプール』でさえ「( ̄∇ ̄;)ハッハッハこやつめ」で笑って済ませた俺を、ここまでイラつかせたのは始末をどうつけてくれる!いいかよーく聞いておけ。「家に帰るまでが遠足です」と同じくらい大切な言葉、それは「映画は劇場が明るくなるまでが映画です」だぞ。余韻ってものがあるんだ。余韻を楽しみたいんだよ俺は!『タクシードライバー』でモヒカン頭で銃をぶっ放したい気分や『スター・ウォーズ』でライトセイバーを振り回した気分や『いつかギラギラする日』で銀行強盗をしたい気分や『ラブライブ!』でスクールアイドルとして歌って踊りたい気分にさせるのが余韻ってやつじゃ。それをお前が自らぶち壊してどうするんだよ!
あああぁ。理由は分かるさ、MCUだからなアレに繋げたいのはよーーーーーーーーーく分かる…………知ったことか!よしんばやるとしても通話不能だけでおさめてドラムをパッカパッカ叩けば「お察し」で充分なのに直にやる必要がどこにある。バカなのか本当にお前はバカなのか!本編でほんわか気分になっていたのに一気に冷えたわ、ドン冷えだわ。ある意味でトビー・フーパーを超えたわ!金返せこの野郎!!
以上だ!

Ant-Man and The Wasp (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト: クリフトフ・ベック
- 出版社/メーカー: Hollywood Records
- 発売日: 2018/07/16
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る