ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
兄弟である気象学者の弟ウィルと修理業の兄ブリーズは幼い頃、災害で父親を亡くしてそれが元で、互いにしこりを残していた。そんなさなか二人が住むアメリカ西海岸にカテゴリー5のハリケーンが接近してくる。かつてない規模だと直感したウィルはブリーズに避難を促そうとする一方で、武装集団が財務省の紙幣処理施設を襲撃し、6億ドルにもおよぶ現金を強奪するという犯罪に遭遇し、そこで知り合った施設のセキュリティ担当であるケーシーと共に武装集団と立ち向かう事になる。
1969年公開に『ナヴァロンの要塞』の監督で名を知られるJ・リー・トンプソンが撮った『マッケンナの黄金』という映画があった。主演は『ローマの休日』のグレゴリー・ペックで共演は『ドクトル・ジバゴ』のオマー・シャリフとテレビドラマ『刑事コジャック』のテリー・サバラスである。
物語は西部劇だが、異色西部劇だ。従来の西部劇に秘境探検の要素を加えているからだ。インディアンが守っている秘密の谷に眠っている黄金を手に入れようとする悪漢シャリフと谷の場所を知っているがゆえに脅されながら従うしかないペック。そして黄金に踊られ狂乱する人々を描いているのが『マッケンナの黄金』だ。
個人としての思い出として、黄金探しで我を忘れる人々をペックが愚か者と評するが、はじめて観た時にはペックの理知で紳士なスターイメージを理解していなかったから、「薄っぺらいキャラだなぁ」と感じてしまった。そしてクライマックスも銃撃戦よりもインディ・ジョーンズを -- というよりも明らかにこの映画の影響もインディは当然と受けている。-- 思い出させるスペクタクルを経て幕を閉じる。もちろん勝者はペックだ。
この映画、中盤でちょっとした捻りがある。シャリフ達を捕まえようと追跡してきた騎兵隊(?)の隊長であるサバラスがペックを助けると思いきや、こいつも黄金に目が眩みシャリフの側につくのだ。……ここまで書いたら気が付いただろうが、『ワイルド・ストーム』の原点はこの『マッケンナの黄金』なのだ。
だから、兄弟主人公のキャラ作りはペックに近いし、彼等より悪役パーキンスが苦労するのは『マッケンナの黄金』のシャリフと同じだし、アノ人々が裏切るのも『マッケンナ』のサバラスと同じなのだ。そしてクライマックスも決闘よりもスペクタクルが中心になる。つまり、『マッケンナ』のキャラとプロットを、西部劇を現代に置き換えているために、アチラコチラに修復しがたい、ズバリ言えばツッコミ所が多すぎる出来になっている。
でも、まぁ。それは監督が『ステルス』のロブ・コーエンだし、そこは「細けぃことは」の精神と己の中二病精神を開放すればOK!OK!で楽しめるはずだったのだが……。
災害用特殊車両ドミネーターの活躍をもうチョットだけ観たかったよ!
第一に見せ場が、スパイク・ワイヤー・サンドイッチって低い方に展開するって何なの。逆だろ逆!それに、あれだけ良いメカキャラなのにカーチェイスが一回だけってどうよ。「流石ハリウッド贅沢ですなぁ」なんて褒めると思ってるんか、お前等は!
そしてアノ展開。ドミネーターを相棒として設定しているとしたらドラマとしては確かに正しい。正しいが、オレはタラタラだよ!
ただ、今回は批判ではなく不満にとどめておく。
映画のためにじゃないぞ。ドミネーターのためにだ!
最強災害用特殊車両ドミネーターの秘密を解き明かす!『ワイルド・ストーム』メイキング映像
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