ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ジェームズ・R・ハンセンが記した人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いた伝記『ファーストマン』を映画化。一人娘を失ったニール・アームストロングはアメリカが威信をかけている人類初の月面着陸計画に加わる。計画は数々の困難と事故にあいながらも寡黙に任務を遂行するニールに妻であるジャネットは一人で葛藤する。そして遂にニールは本計画の最終段階アポロ11号の船長を命じられる。
1957年、ソ連(現ロシア)による人類初の人工衛星スプートニク1号の成功は科学・技術で世界をリードしていたと過信していたアメリカを恐怖させた。これが歴史としてのスプートニク・ショックだ。映画『ライトスタッフ』や『ドリーム』で描かれたマーキュリー計画は、このスプートニク・ショックを起点にしている。
1961年ジョン・F・ケネディ大統領がアメリカ合衆国両院合同会議の「10年以内に人間を月に送る」と宣言してはじまったのが、マーキュリー計画と今作で描かれる部分であるジェミニ計画とアポロ計画である人類初の月面着陸計画だ。
月面着陸計画は3案があったが、そのうちから月軌道ランデブー(LOR)を採用した。LORは母船と着陸船を月周回軌道まで送り母船と着陸船を切り離し宇宙船を月面との間を往復させて、さらにランデヴー・ドッキングを行い、地球へと帰還する方式で、それが採用されたのは、当時の技術力とケネディが設定したスケジュールに間に合うものだったからだ。問題は月周回軌道上で母船と着陸船がランデブーとドッキングを行うということは失敗すれば帰還ができなくなることを意味していた。
今作ではそれをサラッと説明するだけで、それがどれほど危険なミッションで、どう克服すべきなのかを一切描かない。
そして中盤に月面着陸計画に対する反対が描かれるが、それに対する意見は描かれない。つまり、成功する意義を説明しない。
〇危険なミッションの克服を描かない。
〇月探査計画の意義を描かない。
この二つから見えてくるのは、誰もが感動し易い英雄談やロマンチシズムでは今作では描かないと宣言しているのと同じだ。それなら何を描こうとしているのかと云えば、ニール・アームストロングと彼の妻であるジャネットの内面を描くことに他ならない。
今作では人類初の歴史的出来事を多角的に描かずに、ひたすらニールとジャネットの内面のみを注視する純文学(私小説)に近いつくりになっているのだ。
実は今作は『ラ・ラ・ランド』と同じ表現方法になっている。ただ、『ラ・ラ・ランド』では内面を表現する道具を「歌と踊り」で描いた -- だから急に歌っても良いし、宙に浮かんでも良い -- のに対して今作で内面を描く道具として使ったのは「画質」だ。
この映画はシーンによって画質にバラツキがある。調べてみたら撮影カメラに16㎜、35㎜、そしてIMAXを使っている。つまり、ニールとジャネットの内面を描くときには16㎜、それ以外は当時の雰囲気をだすために35㎜、そしてクライマックスでは観客にIMAXの「画質」で観客に不思議な感動を呼び起こす様に作られている。
つまり、IMAカメラで撮った部分は『セッション』での、あのクライマックスであり、『ラ・ラ・ランド』でのクライマックスとまったく同じなのだ。
クライマックスをドラマの段取りでカタルシスを与えるのではなく、あくまでも自分の語り口にこだわって観客にカタルシスを与えようとする。これは設定や構成よりも文章を駆使して感動させる純文学の手法と同じでもある。そうゆう意味では今作は脚本は違えども(脚本:ジョシュ・シンガー)これはまぎれもなくデイミアン・チャゼル監督作品だ。
それでは、お前はどう感じたのか?と聞かれれば……
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ごめん、この映画についての感想は書けない。
だって、映画を観て酔っちゃったんだよ。映画酔いだよ!
ぬかったわー、本当にぬかったわー、ブレまくるとは事前に知ってはいたけど、全編一人称視点の『ハードコア』でも酔わなかったから大丈夫だと思っていたら『ハードコア』96分に対して『ファースト・マン』141分なんだよ。甘く見たわー141分。
でも、最初は「ちょと調子が悪いな」ぐらいだったんだよー、最近はいつもこんな感じなので、もしかしたら寝落ちするかもと思いながら次に『アクアマン』を観たら途中でマンガみたいに目の前がグニャグニャになったわー。そしてそーっと退席して速攻でトイレへGO! ゴズリングのごとく便器でゲ~ゲ~したわー!トイレは綺麗でよかったわー。
ぬかったわー、本当にぬかったわー。
そうゆう訳で、『ファースト・マン』の感想は書けません。ごめんなさい。
あと、『アクアマン』にもお詫びいたします。次に体調を整えて観直します。
我ながら酷い締めだ。
FIRST MAN Official Trailer (2018) Ryan Gosling, Claire Foy Movie HD
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