えいざつき ~映画ポエマーの戯言~

映画批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『移動都市 モータル・エンジン』を原作を参考にしつつ微ネタバレ有りで解説してズバリ誉める!

お題「最近見た映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

 

フィリップ・リーブの小説『移動都市』の映画化。60分戦争と呼ばれる最終戦争から数百年の時が過ぎ、僅かに生き残った人々は住居を移動することで生活をしていた。そして大きい都市が小さな都市を「飲み込む」という捕食で勢力を図っていた。その中でも最大の巨大移動都市<ロンドン>は皆に恐れられている。そこに住む史学士トムは捕食してきた街の女性へスターが指導者的立場にあるヴァレンタインを襲うのを阻止してしてしまったがために予期できない冒険へといざなわれてゆく。

 

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……ラピュタだ。どうみても天空の城ラピュタだ。

 

そう思いたくなるほど映画『移動都市 モータル・エンジン』は天空の城ラピュタなどの宮崎駿作品の雰囲気がある。この部分どーにも否定しにくい。

  

ずばり悪役は同じ。原作ではラスボスは市長なのに映画ではそうなっておらずにアノ人がラスボスとして設定されている。つまり『ラピュタ』での眼鏡と台詞が印象的な悪漢ムスカ( 継承名:ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ)に寄せてきている、というかモロにそれだ。

 

そして、逆に『ラピュタ』と被らない様(?)にか、原作とは違う設定もしてある。主役はトム、へスター、キャサリンの三人なのだが、原作だと15歳前後の設定なのだ。つまり、『ラピュタ』でのパズーとシータの年齢とほぼ同じ。

 

もちろん原作はラピュタフォロワーではなく、スチームパンクファンタジー(SFではない)なのだが、大人向けではなく児童書(ジュブナイル)なのだ。児童書だから読者年齢が10代で想定されている。なのに映画の三人は明らかに20歳前後で描かれている。

 

なので、本来が子供向けなのに、いかにもハイティーン以上を対象にして映画化された今作は観易さが返って仇になって物語とドラマが薄く感じる。簡単に云えば「何処かで見たことが感」が漂ってしまっている。最低限の説明は台詞でしているし、描写もキチンと定型を守っているためにさらに「何処かで見たことが感」を強調しているところがなんとも……。

 

そのために原作と映画のメッセージが伝わりにくい結果となっている。それはどうして<ロンドン>の象徴が時計台のビック・ベンではなく、セント・ポール大聖堂なのかが示している。現実に大聖堂が建っている場所はロンドンの金融街シティ・オブ・ロンドンなので、これは明らかに強欲を強く印象づける様になっていて、それと捕食という設定を入れれば、「強者が弱者を食らって進化する」意味でどうしたって社会ダーウィニズムだからだ。

 

社会ダーウィニズムは文字通りダーウィン進化論を社会に置き換えた概念だ。当初は絶対王政から封建制、そして蒸気機関スチームパンク!)産業革命と共に民主制に移行してゆく過程で当然のごとく認められていた概念でもあったが、やがて強者の論理になってしまい、最終的には帝国主義へと変容していった概念だ。つまり今作での<ロンドン>そのものだ。

 

それを踏まえれば対する反移動主義同盟がどうゆう役割なのかが見えてくる「寛容」だ。それは反移動主義者の要塞である<盾の壁>が位置する場所がチョモランマ(エベレスト)が示してもいる。つまり「強欲の西、寛容の東」。だからラストあたりのシーンも当然だ。もちろん「帝国主義と(かつての)植民地」の関係も用意に連想されるようになっているところもミソだ。

 

つまり、動く都市という設定で「都市VS都市」を予想しがちだが、本筋は「西と東」、「強欲と寛容」を描いているのが原作と映画のメッセージなのだ。

 

ラピュタ』とはそこが違う。製作・脚本のピーター・ジャクソン(脚本はフラン・ウォルシュフィリッパ・ボウエンと共同。監督はクリスチャン・リヴァーズ)は原作の意をちゃんと汲んだ物語にしているのに人物設定をチョコッと変えただけで漂う「何処かで見たことが感」プラス「何でこうなるの!感」。実はビジュアルは映画としては結構に斬新なのにだ。

 

移動都市のビジュアルは当然だが、最終兵器メデューサのデザインやガンやソードの小道具の隅々にまで異世界感を漂わせたデザインはまさに眼福というしかない。俺のための映画じゃんこれ!

 

という訳(?)で感激して吹替も含め一日で三回も観てしまった俺事自分にはこの映画を誉める道しかないのだ。

 

そうゆう事だぞ☆(ゝω・)vキャピ

  


Mortal Engines - Official Trailer (HD)

 

 

Mortal Engines

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移動都市 (創元SF文庫)

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