ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今回は映画『ミッドサマー』を観ていない方にのみお読みくださるようお願いします。逆に『ミッドサマー』を観ている方、または楽しく観た方には怒りを禁じ得ない内容になっているかも知れない事を了承ください。
今回は私事だらけなのだが、自分は現在は地方在住者なので、四大都市部で上映されている映画でも、数か月遅れて掛かることは日常だ。特にスターがいないと顕著になる。最近だと、あの『カメラを止めるな!』などは、ここではいつになるやらの状態だったが、バラエティ番組などで取り上げられると、いきなりに上映が決まる。といった感じだ。
ちなみにこれがスターだとどんな作品でも早い。最近だと『大脱出2』とか『大脱出3』とかが……
さて、そんなこんな(?)で、今ネットで話題沸騰中の映画『ミッドサマー』なぞ「何時になるやら」なので、今回は代わりにそんな体験をしたっぽいのを書いて置きたい。
大学を卒業仕立ての頃に俺は東京に住んでいた。どちらかといえば引っ込み思案なタイプだったが、それでも結構充実感があったし、恋もしたし、働き先に友達も僅かばかりだがいた。
ある日にその中の気の合うひとりの友人に誘われて、ある場合に行った。前置に紹介したい人がいるとは聞かされていたので、もしかしたら彼女でも紹介するのだろうか?と考えつつ、指定されたのは一軒家の大広間。そこのソファーにぽつねんと座っていると、やがて奥から十数人の男女が現れて、俺を取り囲むかの様に座ってはじまったのは……
◯価◯◯の勧誘だった。
友人は◯◯◯会に入会していたのだ。つまり、俺に紹介したい。というのは創◯◯◯の人々で、その目的は俺を入会させるためだったのだ。
彼等は俺の孤独感や寂寥感を静かな語りで煽って何とか入会させようとするのだが、その時に俺が考えていたのは……
帰りてぇ。
彼らの作戦はシンプルで、俺の「相手を傷つけづに断ろう」とする寛容な感情を利用して、こちらが折れるのを待っているのだ。どうして、そう考えるかといえば、これに似た体験を以前にもしているから。実は俺は過去にアポイントメントセールスに引っ掛かった経験もあるからだ。
アポイントメントセールスとは電話やネットで呼び掛けて営業所に呼び込み相手が折れるまでのらりくらりと交わして、最後には高価な物品やサービスを無理矢理に買わしてしまう。という悪徳商法だ。物品と宗教の違いはあれども本質としては同じ。
それをすでに体験していた俺は、アノ時断った方法でこの場をやり過ごす事にした。5、6回ほど遠回しで断り、それでも引き下がらなかったからこう切り出した。
「ここまで断っても理解してもらえないならば、これは監禁ですか?」
「監禁」 という強烈な単語に昨日まで友人だった人と彼らの様子が露骨に変わり、「今日の事は、あまり言いふらさないで下さい」みたいな事を言われて開放された。
その日以来、友人とは会話を交わす事が少なくなってゆき、俺も働き先から去って完全に縁が切れた。これがこの顛末だ。
さて、ここまで来て「これが『ミッドサマー』とどう関わるのか?」と云えば。
予告で観てしまったアイツ等の顔が、あの時の彼らの笑顔と同じなんだもの!
まだ、うちの方では予定もないけど、『ミッドサマー』のドラマって、きっとコレと同じでしょ。
おしまい。