ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
それは紙一重。
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして今回のキーワードは
航空機戦闘映画!
今回はネタバレスレスレ。
いやー、σ(゚∀゚ )オレ好みだったわ!
本作は1941年の真珠湾攻撃から1942年のミッドウェー海戦までの物語だが、実はコレを撮ったローランド・エメリッヒ監督の代表作『インデペンデンス・デイ』と展開は同じだ。
敵から壊滅的な攻撃を受ける。→ 敵の裏をかいて全力で戦う。→ 大勝利!
この展開だ。本作と同じだ。だから個々の登場人物達の葛藤があっても、それは枝葉で本質は一発逆転劇だ。(画像はIMDb)
しかし、SFアクションとは違って本作は史実を基にしているので大味だった『インデペンデンス』から比べれば幾分か描写が細かくなっている。もちろん、それはあくまで『インデペンデンス』よりも、であって、大味なのは変わらない。
つまり、いつものエメリッヒ監督作品だ。
とにかく大味だと考えているのは色々とあるが、一番に上げるポイントはアメリカ側が日本に恐怖を感じている感覚が観客には判りにくい。具体的に言えば、開戦当時の日本海軍の高速戦艦と零式艦上戦闘機の優秀さを示す描写が無いからだ。
高速戦艦については名の通りだし、本作ではクライマックス辺りにちょっとだけ登場するだけなので今回は割愛して、ここでは重要な要素である零式艦上戦闘機、つまり零戦ついて説明すると、それは機動性の高さと航続距離の長さが当時としては格段にあった機体であり、なので機動性の高さは空中戦で優位な位置である敵機の真後ろにつきやすいし、速度も連合軍の機体よりも早いので相対速度に差があって機銃で捉えることが難しく、さらに航続距離が連合軍の機体が約900キロ対して零戦は約2200キロもある。
そして空母の保有数だ。開戦時の主要戦闘艦艇合計がアメリカ350隻、日本261隻とアメリカに有利にもかかわらず、空母数がアメリカ7隻に対して日本は10隻。つまりは高機能戦闘機とそれを運用できる移動所が組み合わせられて、あの時に制空権を握っていたのはアメリカではなく日本になる。
ようするに連合軍は日本に大きく遅れをとっていたので、初手で彼等の戦略的優勢が固定化すると最終的にはどうであろうと逆転は困難になる。
また連合国側で零戦に対抗できる機体が誕生したのはミッドウェー海戦の後なので、だからあの時点での最善手は日本の空母を多く破壊するのがベストだといえる。それをしてしまえば、零戦といえども機動性と航続距離に制限が生まれ連合軍が優位に立てるし、事実歴史的にそうなった。
しかし、そういった描写が本作には無い。なので連合軍勝利の結果を知っている現代人こと自分等はあの時のアメリカ人の危機感がほとんどピンとこない。ただエメリッヒ流大破壊スペクタクルショーを眺めるしかないのだ。
カタコト日本語喋りはハリウッドのお約束としてあえて無視!
そして、本作に限らず史実の戦争大作映像化の楽しみ方は、現時点における特殊効果の成果を堪能できるのが最大の魅了であり見せ場でもあるのだが、確かに本作はCG臭があるのも確か。ただ、そのおかげで、かつては編集の妙と記録フィルムで表現されていた艦載機の発艦&着艦がシームレスとして描かれている。これは戦争映画でははじめてだろう。そして、さり気なく挿入される甲板作業員の仕事ぶりも、いい感じだ。
この二つが前述したσ(゚∀゚ )オレ好みになる訳だ。
劇場で鑑賞。
Midway Trailer #1 (2019) | Movieclips Trailers
Midway (Original Motion Picture Soundtrack)
- アーティスト:Kloser, Harald / Wander, Thomas
- 発売日: 2019/11/22
- メディア: CD