ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
(沈黙)
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして今回のキーワードは
大霊界!
ネタバレ無しの酷評モード……かな?
原作・製作・脚本・監督
瀬名快伸
これが、本作のすべてだ。一言でまとめてしまえば瀬名快伸原作&監督の脳内開陳映画だ。原作は未読だが、読んだところで、美くて流暢な文体で書かれた純文学か、ややこしいセカイ系世界観なので、どちらにせよ頭の中がゴツい自分が分かる筈がない。
そして自分が、これに一番近いと思っている感覚は俳優であり、かつ、あの世との仲をとりもっていた丹波哲郎の死生観を開陳した大霊界シリーズであり、その中でももっとも似通っているのは大霊界とラブロマンスを融合させて当時のアイドル近藤真彦と中森明菜を共演させた『愛・旅立ち』に一番近い。
ちなみに監督と脚本は『二百三高地』のコンビだ。
『〇の〇〇。』との関係はどうでもいい!
その、昭和から平成を無視して飛び越えた令和版アップデートが本作だ。物語やドラマの感動より、何かの良く分からない説法を聞かされている感じがまったく同じだ。
だから二つとも、あえて物語は語らない。たとえ語っても理解はできない。
もし理解できたら、貴方がヘン!
そう言い切れる。その自信はある。
そうでも無ければ、性もない繰り言を、ただたれ流しているだけだぜ。
そして、本作が信仰宗教の布教ではなく、丹波が目指した霊界宣伝に近いと自分が確信しているのは、個人や特定の団体からの出資ではなく昨今のアニメではよくある制作委員会を立ち上げて運営しているからだ。
その制作委員会も色々な組み合わせがあって、例えばジブリなどのメジャーブランドは有名企業が名を連ねている、
「千と千尋の神隠し」製作委員会:
徳間書店、日本テレビ放送網、電通、ディズニー、東北新社、三菱商事、スタジオジブリ
「君の名は。」製作委員会:
東宝、コミックス・ウェーブ・フィルム、KADOKAWA、ジェイアール東日本企画、アミューズ、voque ting、ローソンHMVエンタテイメント
とまあ、映画会社の力で、名だたる企業が入っているし、これが小規模公開を念頭に作られていた『若おかみは小学生!』でも、
「若おかみは小学生!」製作委員会:
DLE、講談社、テレビ東京、ギャガ、AT-X、ナダ・ホールディングス、NAS、マッドハウス、イオンエンターテイメント
と、一般ではなじみがなくても、通好みなアニメ&映画ファンならピンとくる布陣になっているのだが、本作『君は彼方』は、
「君は彼方」製作委員会:
CUCURI、キングレコード、マネートゥディパブリッシング、セブンツー、日音、協立広告、アジアピクチャーズエンタテインメント
何?
知っているの二つしかない。
だから、ちょっと調べた。
CUCURI:声優育成学校(現在は閉鎖)
キングレコード:音楽会社
マネートゥディパブリッシング:韓国芸能人関連の出版
セブンツー:キャラクター商品の企画・生産・販売各種
日音:音楽会社
協立広告:屋外広告を主にした広告会社
アジアピクチャーズエンタテインメント:映画の製作・配給・宣伝・アジアへの展開
うん、アニメ大国日本で劇場公開させて泊をつけてからアジアに向けて劇場か配信で公開させてゆこうとするビジョンが、アリアリと思い浮かぶ。
だが、プロデューサーとしては優秀なのはわかった!
そんな本作は珍品中の珍品。今は観た事を後悔しても、数十年後には、この体験が貴重な証言となるのは間違いない。
そして月日がたてば経つほど、その貴重さはワインの如く希少価値となるだろう。メディアもそんなに売れるはずは無いだろうから廃盤は確実だろうし。
そしてもしも、本作を観た誰かが超有名なクリエイターとなって「自分の創作者としての大切な作品」とかの奇跡が起こるかもしれないから、公開後の数十年後から多くの人に語り継がれる作品になるとも考えられるだろう。そうしたら観ていない奴らに自慢ができる!
…………かも。
そんな本作の感想はコレにつきる。
オレは観た!
君たちは観るな!
以上だ。
劇場で鑑賞。