ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
西部の男たちはかく戦った
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして今回のキーワードは。
意外と組み合わせが良い!
前回が S・グレイグ・ザラー監督論みたいな書き方だったので今回は作品中心についてになります。
ザラー監督の『ブルータル・ジャスティス』があまりにも素晴らしかったので、勢いでVODで本作を観てしまったのだが、こちらの方が好みかも。
だって食人族ですよ!
最初は、ガンマンに食人族!とは、夏におでん!と同じくらいの違和感だったが、よく考えたらガンマン(西部劇)と〇〇〇の組み合わせは結構あるのを思い出した。
ガンマンに秘境探検!
ガンマンに恐竜!
ガンマンにエイリアン!
(画像はIMDb)
後、観たことはないけども。ガンマンにゾンビ!とか、ガンマンに蛇!などの異種格闘技的なマッチメイクなどがあるらしい。
なので、今さら食人族に驚くほどではなかったのだ。
でも、本作はどちらかといえばモンスターホラー映画なんだが。
だけど、モンスターなんだけども屠殺をするくらいの文化はもっている。
だからどうして、自分が本作をモンスターホラーとして感じているのかを話せば、まずは単純に共演者だ。ホラー映画で鬼才を放つ映画監督である、ジョン・カーペンター作品の常連であるカート・ラッセルと同じくジェームズ・ワン作品の常連であるパトリック・ウィルソンが名を連ねているところだ。これはザラー監督なりのリスペクトとして考えるのは当然だろう。(画像はIMDb)
そして、肝心な食人族は一見、人の姿はしているが、喉に笛の様なものを埋め込まれていて、言葉では会話ができない、つまりコミュニケーション不可能な存在して終始描かれている。さらに付け加えると、お約束である……
◯ モンスターを怒らせたのは人間が禁忌(タブー)を犯したから。
◯ このモンスターは最後の一匹ではない。
この二つを抑えていて、さらにそんな最悪な相手の唯一の弱点を使って倒す。というパターンなのだ。(ヒント:牛飼いの技術)
だから、モンスターなのだ。
そしてそれプラス、ザラー監督独特の語り口というべき、それが起こるまでの長さ、人によっては冗漫に感じる物語の進め方がまどろっこしいと思うかも知れないが、前回の『ブルータル・ジャスティス』で述べたとおり、これも「唐突な暴力」というパンチを炸裂させるために必要なことであり、そして本作でも、それは巧くいっている。
さらに、その冗漫さが「ガンマンと食人族」というゲテモノになりがちになるはずなのに、むしろ西部劇の香りさえ感じる出来上がりになっている。これは結果オーライというよりも、ザラー監督の手腕と断言してもよいだろう。
しかし、個人としては順番を間違えて『ブルータル・ジャスティス』の次に本作を観てしまったがために、ちょっと物足りなさを感じてしまったのも確か。『ブルータル・』が長編小説だったなら、さしづめ本作は中編小説といった感じなのだ。たからと言ってザラー監督作としての比較であって、単体でも充分に面白い!
あと、強烈なゴア描写に耐えられる、むしろ逆に大好き!な人なら大満足の一品だと保証できる。
VODで鑑賞。
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