ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』興行収入1位おめでとうございます!
今年も残りあとわずか!
と、普通ならここで今年のベストテンを決めるハズなのだが、その前にブログに書こうとして推敲できずに大量に塩漬けにしていた記事からネットなどで絶賛の中から3つをピックアップして今年最後の感想の大放出をしたいと思います。
お詫び:すいません話の枕に使っただけで、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は今回まったく出てきません
◯魔女見習いをさがして
かつてテレビアニメとして放送された『おジャ魔女どれみ』のファンムービー。なのだが、物語は子供時代に『どれみ』を観ていた女性3人が、ひょんな事から出会い、それそれの悩みや葛藤を克服してゆく流れになっていて、特に『どれみ』を観ていなくも楽しめる。けども、登場する男キャラが、子供と別れた男親←過去の自分。軌道に乗った仕事を上司に横取りされた←自分もやられた過去がある。ネットのイタい男←自分。と、古傷に障るモノばかりで冷静な感想など書けない塩梅に。すまぬ!
おジャ魔女どれみ20周年記念作品「魔女見習いをさがして」Final予告
◯罪の声
『アイアムアヒーロー』の脚本家の野木亜紀子。『いま、会いにゆきます』の監督の土井裕泰のタッグで実際にあった事件を基したミステリー作品。原作の謎解き部分をシンプルに「犯罪に知らずに利用されたがために罪の意識に苛まれる人々のそんな感情を取り払い、本来罪の意識を被るべき人にそれを与える」ドラマに仕立て直した野木脚本は巧いとは思いつつも、やはり展開があまりにも手垢がつき過ぎた、いつもの『ゼロの焦点』&『砂の器』の松本清張&野村芳太郎メソッド (二時間サスペンスメソッドともいう) なってしまうので、個人的にはイマイチ乗れず。すまぬ!
◯ミッドナイトスワン
草なぎ剛がトランスジェンダーを演じた事で話題になった感動作。なのだが、実は自分は本作のドラマがどこにあるのかが全然分からなかった。本作は構成と段取りが奇妙なのだ。まるでロバート・ロドリゲスの『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のごとく物語が変わってしまうからだ。普通に眺めると一人の少女が二人の人物を破滅に追いやるという意味で、無自覚なファムファタールになってしまうのだが、しかし体裁は感動モノなので、個人としては感情の落しどころに困った作品となった。70年代映画みたいな感じをやりたかったのかも……とは思ったけど。すまぬ!
以上、今年最後の感想でした。
最後に今年のワースト作品をひとつ。
◯Fukushima 50
本作は実話を基にしたフィクションだが、それにしても度が過ぎる。
具体的には渡辺謙が演じた吉田所長以外はすべてフィクションだというところだが、だから、実話を基にしてるとはいえ、突然の災害も高放射線下で命をかけて作業をする人々も出稼ぎでしか日々の糧を得ることができなかった福島の人々が原発によって救われた話も米軍とのトモダチ作戦も娘との家族愛も最後の文章も、相加的でドラマが集約せずにバラバラだ。そして、それらがすべてが「感動させる」というウェットな感情誘導のためにあるのがまるわかりで、個人としての感情の居心地が悪い。これが完全なフィクションなら「下手だな」とか「そんなもんだ」と納得できるのだが、なまじ誰もが知っている話なのがなおさらだ。
それでは……。