ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
ハウワーいいよね
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして、キーワードは。
ハイウェイゴシック!
今回はネタバレスレスレの絶賛解説モード。
本作はまさしく伝説の作品である。
物語は青年ジム・ハルゼー(C・トーマス・ハウエル)が車の長距離陸送のためハイウェイを走らせていたら、ヒッチハイクをしていた男ジョン・ライダー(ルドガー・ハウワー)を見かけて同席させたのをきっかけにジムが恐怖の体験にあう筋書きになっている。
そして本作は伝説と先に述べたとおり、自分を含めすでに誰もが何回も観ている超有名作品だし、ビデオスルーの続編とか、2007年のリメイクとかもある状況でHDリマスター版とはいえ、それを今、映画館でワザワザ観るべき魅力があるのか?と問われるなら、それはある……
R・ハウアーの色香に殺られろ!
これにつきちゃう。
いや、マジでヤられるんです。信じられないだろうけども。何回もマイホームで観ているのに、はじめて劇場で観た感想がそれだから!
ゴメンなS・ビーン。(意味深)
そうゆう視点で言えば、あの時に脚本を書いたエリック・レッドと、あの時のルドガー・ハウアーが揃っていなければ、まぁ、それでも傑作扱いくらいにはなったかもしれないが、伝説とまでは往かなかったかもしれない。特にジョン・ライダーを演じたR・ハウアーの年齢が10年若くても、また逆に年を重ねていても成立しない点で、まさに奇跡の作品と断言しても良い。
うん、断言する!
そんでもって、本作はサイコ・サスペンスだとか、サイコ・スリラーとかでジャンル分けされてはいるが、自分の見立てはホラーだ。これは、ほぼ確定している。
ホラー、といっても、首がスポポ~ンとが内臓がドバドバみたいなスプラッターなやつではなくて、ホラーの原初、怪談とか怪異談とかのやつで、いわばゴシックホラー。
だって、脚本を書いたエリック・レッドはアメリカのロックバンド、ドアーズ(The Doors)の ‟ Riders On The Stoom ” に触発されてこのシナリオを書いた。って言っているからだ。↓
その解説で、ドアーズのジム・モリソンは、2ヵ月足らずのヒッチハイクで6人を殺し死刑になった殺人犯ビリー・クック(1928-1952)に触発されてこの曲を書いたと言っている。
また ‟ Riders On The Stoom ” について、もうちょっと核心部分について解説しているサイトがこれ ↓
このサイトにあるカントリーソング "(Ghost) Riders in the Sky"(1948) の「空に群れをなす亡霊たち 空を翔る馬上の亡霊たち」歌詞から見えてくるのはどう見てもゴシックホラーの雰囲気だ。
おそらく、アメリカの荒野には、開拓時代から夢に破れた者どもの恨みが染み込んで、誰かを呪わずにはいられない何か亡霊・怨霊のようなものが憑りついている。という伝承の現代版が本作なのだということだ。
これらを抑えておくと、どうしてジョンがジムにこだわるのか?とかが、何となく分る感じがしてくる。ジムは「死」という呪いに捕まってしまった。のだということを。
そして、おそらくはジョンも、かつて誰かからの死に捕まってしまい、その呪いから逃れるためにジムを執拗につけ狙う。その理由はジムがあの時に殺されなかったから。という矛盾かつ理不尽からだ。
だから、これはホラー映画。
劇場で鑑賞。