ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
ここは何処、私は誰?
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして、キーワードは。
アレよアレ!
今回はネタバレ無しの超絶回避モード
の最新作は古巣フランスで撮ったNetflix配信で、『CUBE』(1997)以降、低予算アイデア勝負作品の定番となったソリッドシュチエーションスリラーと呼ばれているジャンルだ。ここでいうソリッドとは舞台が固定化されている意味で、多分アガサ・クリスティーの小説『そして誰もいなくなった』の映画化がそのはじめてだろう。
なので、初見で「なんだよこれ!」な衝撃が起こるが、二回目になると周到に布石・伏線を張っているのを知って感動する系の作品群。
だから、本作については何も語る事はできないんだ!
自分としてはネタバレしても関係ないのだが、今回ばかりはそうもいかない。でも、ぶっちゃけ2010年ライアン・レイノルズ主演のアレのアレバージョン。
アレしか言ってないがジャンルをカテゴライズするとそれだけで推測から感動が減ずる可能性が高い。それくらい本作は微妙&絶妙なバランスで成り立っている。何故ってソリッドシュチエーションスリラーとは、まるでパズルピースを吟味しながら一つづつ繋いでゆくとそこに本来の姿が表れる面白さがあるからだ。それがすべて埋まると露わになる全体像で、何のドラマ化が分る。それがソリッドシュチエーションスリラーだからだ。
ソリッドシュチエーションスリラー!(ただ叫んでみた)
そんでもって、本作がチョット捻ったのはパズルのピースがあと一つで埋まる瞬間に主人公に「自分は何なのか?」と苦悩するアイデンティティークライシスがはじまり、そしてそれを埋める最後のピースは「愛」という。……『ホーンズ 容疑者と告白の角』(2013)以降、そはかとなく衝撃から感動にシフトした感がする(個人の見解です)アジャ監督の変化が最高潮に達したのが本作かも。
あと、主演のメラニー・ロランとマチュー・アマルリックの声が好きな人なら充分に楽しめる。彼等の仏語トーンでの会話の掛け合いが心地良い、まるで100分近くのラジオドラマかサウンドノベル的な楽しみ方もある。映画としては疑問が残るが。
風のリグレット!(ただ叫んでみたパート2)
あと、製作総指揮にノオミ・ラパスが入っているのもポイントかも。(謎)
ただ、〇〇作品としてはツッコミたいところも多々あるのだが、それをやったら何かに負けた気がするのでしない。
と、まぁ。本作はものすごく絶妙なカードの配り方見せ方で展開するので、正直に自分でも今回はやっつけ感がアリアリなこんな感じなのだが、それでも今年ベストかもしれないな~~な面白さなので書いてみた。
VODで鑑賞。