えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

夏への扉 キミのいる未来へ

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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ロバート・A・ハインラインの名作SF小説夏への扉」を、「キングダム」の山崎賢人主演により日本で映画化。舞台を日本に移して再構築し、人生のすべてを奪われた科学者が時を超えて未来を取り戻す姿を描く。1995年、東京。ロボット開発に従事する科学者・高倉宗一郎は、亡き父の親友だった偉大な科学者・松下の遺志を継ぐプラズマ蓄電池の完成を目前にしていた。愛猫ピートと松下の娘・璃子との穏やかな日常の中で、研究に没頭する宗一郎だったが、信頼していた共同経営者と婚約者に裏切られ、自身の会社も開発中のロボットや蓄電池もすべて奪われてしまう。さらに宗一郎は人体を冷凍保存する装置・コールドスリープに入れられ、2025年の東京で目を覚ます。

映画.comより引用

 

映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!

 

今日のポエム

チックじゃないSF恋物語

 

 

今回はネタバレスレスレの解説モード。

 

注意:今回は映画と原作と照らし合わせて解説を進めます。核心に迫るネタバレはありませんが、純粋に作品を楽しみたい方には読まない事をオススメします。

 

まぁ、普通!よりチョイ上。

 

大昔、ある宣伝文句で「読んでから見るか、読まずに見るか?」なんてものがあったらしいけども、その文言になぞらえれば、本作は原作を読まずに観た方が良い!になる。逆に本作を観たあとに原作を読むと微妙な違和感に襲われること間違いない。

 

そう、本作は原作の壮大さは影を潜め、10代後半から20代の若者層に向け作品に仕上がっている。

 

ぶっちゃけ、SFラブストーリーだ。

 

でも、SF風ではなくて、ちゃんとしたSFだ。

 

風とちゃんと。この差は大きい。具体的には、原作の大事な要素、SFミステリーの部分を上手く解釈して映画として仕立て直しているから。

 

でも、それ以外は見事に削っている。まぁ、それは当然かもしれない。

 

その中で顕著に現れているのは、核兵器(原作では水爆)まで使われた戦争の背景がバッサリとカットされているところか。

 

なので、主人公とヒロインが両親に死に別れたのは原作では、戦争で亡くなっているのに対して映画では、ただの不運に書き直されている。

 

そして、映画では主人公の超天才的な才能で、1からロボットなどを開発しているけども、原作だと、基礎的技術は先に述べた戦争で出来上がっていて、主人公はそれを民間に使えるように組み直す事ができる、今ならイノベーションの才能に優れている設定になっていたりする。だから、原作にあった〈文化女中器〉〈窓拭きウィリー〉〈製図屋ダン〉〈万能フランク〉などの数々もない!まったくない! 

 

あと、山崎賢人が脱がない!

 

いきなり、何言いだした!? とか思ったかもしれないが、原作では主人公がヌーディトの集まりに出くわして、ある人物から「ここでは、脱がない者がヘンだよ」と諭されたので服を脱いじゃうのだが、映画ではヌーディトはないので、そんなオイシイ場面は無くなっている。

 

ついでに、原田泰造も脱がない!

 

主人公とヒロインとの関係は、もうラブストーリーとか先に書いたからいいよね!

 

でも、SFファンがハインラインの形を借りたラブストーリーなのかと落胆するのは、まだ早い。SFな仕掛けもチャントある。

 

なんと、プラズマ蓄電池なるものが登場する。

 

ガンダムAGEか!

 

www.gundam-age.net

 

念の為に解説しておくと、ガンダムAGEとは、あの機動戦士ガンダムのブランドの1作品で、2011年10月から2012年9月まで放送されていたTVアニメであり、そのガンダムを動かす動力源として使われていたのがプラズマバッテリーだから。それだけ!

 

ツッコミとボケを自分一人で解説しなければいけない虚しさよ。

 

でも、プラズマなら、もうそれは電池と言うよりも常温核融合じゃない!おそらくは半永久的に使えるはずなので、超科学だ!!

 

ハインラインだって動力源はボカシで書いていたのになあ。

 

あと、藤木直人!映画は彼がSF‼

 

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(C)2021「夏への扉」製作委員会

実は、映画こと本作は、主人公こと山崎賢人だけでなくて藤木直人とのバディものになつて展開する。その設定と掛け合いがムフフなの。

 

なので、濃いのが好きな者には、若干の物足りなさも感じつつも不満はないし、SF作品をはじめて触れる者にとっては入門的な作品となっている。自分も10代で観ていたら大感動していただろう。

 

でも、個人的にはやっぱり物足りないの。

 

ただ、最後に忠告しておくと、『バッグ・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)のような文化ギャップな笑いを期待すると肩透かしを喰らう可能性があるので注意だ。ヒント:観ればわかる。

 

劇場で鑑賞。

 

 

  

 

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