えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

トップガン マーヴェリック

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

 

www.imdb.com

 

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、かつて自身も厳しい訓練に挑んだアメリカ海軍パイロットのエリート養成学校、通称「トップガン」に教官として戻ってくる。父親と親友を空で失った過去を持つ彼の型破りな指導に、訓練生たちは反発する。彼らの中には、かつてマーヴェリックの相棒だったグースの息子ルースター(マイルズ・テラー)もいた。

シネマトゥデイより引用

 

今回はネタバレスレスレの超感動モード

 

注意:今回は核心に迫るネタバレは避けていますが、純粋に楽しみたい方には読まないことをお薦めします。

 

いやっほおぉぉ、最高だぜ!

 

もっと端的に言えば……

 

泣いた。

 

いや、泣くだろうアレ!

 

しかし、この続編、前作が36年前という、続編映画としてはおそらく最長で、公開当時のMTVムーブメントのイケイケな匂いを残しつつも、上手に現代的アップデートをやっている。

 

なので、いちげんさんには痛快なアクション映画として楽しめつつも、リアルタイムで観た人ほど感慨もひとしおだろう。

 

36年っていったらビンテージワインと同じだぞ。一度しか飲酒したことはないけどな。

 

物語は天才的な操縦センスを持っているが、今や海軍からは、古代の化石、無用の長物扱いになっている主人公のマーヴェリックが、自身の原点である「トップガン」に教官として帰って、そこの鼻っ柱が強い若いエリートパイロットの鼻っ柱を折ってゆく……

 

またマーヴェリックも天才的な操縦センスを持っているが故に若僧共には負けないが、そんな彼も10代がやりそうな「彼女の家の窓からサヨウナラ」をやって、それががうまくいったと思いきや、それがバレて子供に「アンタその年で何やってんの」とジト目で見つめられて鼻っ柱を折られる。

 

そして、アイツとの再開を通して「自分はもう若い頃の自分では無い」と実感するのだ。

 

いや、巧いわ。 

 

そこから、当然この手の作品のお約束として後進への魂の継承が描かれるのだが、ところがドッコイ。本作は映画スター、トム・クルーズの作品。乗り込んだ地にあったアイツと足りない滑走距離と速度でアレをやってしまう事で、高らかに宣言するのだ。

 

俺たちはまだまだやれる。……と。

 

泣くやろ、コレは。

 

そして……

 

① 教本よりも直感という視点で、『超音速ジェット機』(1952) から『スペースカウボーイ』(2000) になり、

② 教官のシゴキという視点で『頭上の敵機』(1949) からの『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(1986) になり、

③ 爆撃という視点で『633爆撃隊』(1964) からの『スターウォーズ 新たなる希望』(1977) を通っての『ファイヤーフォックス』(1982) になり、

 

① ② ③ をまとめてしまえば、トムが音速の壁ならぬイーストウッドの域を目指しているのがハッキリと見えてくる。あるいはスタローンの域か。

 

念の為に抑えておくと、「イーストウッドの域」とは映画監督の方じゃなくて映画スターの方ね。

 

イーストウッドの域に達する。ということはアメリカ映画を背負うのと同じ。

 

そう、妄想しても決してオーバーではないのよ本作は。

 

映画スター、トム・クルーズはどうやらクレバーな頭を持っているらしいと自分が感じたのは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014) からだった。

 

オール・ユー・ニード・イズ・キル (画像はIMDbより-)

何故なら、あの作品は前半は広告塔だったニヤケ顔のトムが死んでばっかりのシーンが続いて笑わせての、後のカッコイイ我らのトム・クルーズになってゆく流れで、世間が自身に対して持っているイメージを逆手に取った描き方をしていたのでそう確信したのだが、さらにミッション・インポシブルシリーズを通しての、本作でさらに磨きがかかったとしか言えない。

 

自身がやりたい事と大衆が自身に何を求めているのかのバランスのとり方の見事さよ!

 

そうそう真似ができる事じゃないぞ、これは。

 

最後に今回は、泣くやろ。しか感想を述べてないので、別の言葉で締めたい。

 

トップガン マーヴェリック (画像はIMDbより)

ありがとう。

 

これしかないだろう。

 

劇場で鑑賞。

 

 

 

 

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