えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

NOPE/ノープ

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

 

田舎町に暮らし、広大な牧場を経営する一家。家業を放って町に繰り出す妹にあきれる長男が父親と会話をしていると、突然空から異物が降り注ぎ、止んだときには父親は亡くなっていた。死の直前、父親が雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目にしていたと兄は妹に話し、彼らはその飛行物体の動画を公開しようと思いつく。撮影技術者に声を掛けてカメラに収めようとするが、想像もしていなかった事態が彼らに降りかかる。

シネマトゥデイより引用

 

今回は超ネタバレスレスレの解説モード

 

今回は核心に迫るネタバレは避けていますが、純粋に楽しみたい方には読まないことをお勧めします。

 

あと、今回はIMAX一択です。ワイドスクリーンだと額縁上映になります。

 

いや、ジョーダンの映画だったね。

 

J!A!D!A!M!(海〇隊風に)

 

余談ですがジョーダン監督の綴りはJORDAN。

 

まぁ、少し真面目に語ると自分はジョーダン監督作を語るのについては躊躇していた。

 

やはり彼の作品の根底にあるのはアフリカ系アメリカ人にある「怒り」を察してしまったからなんなよね。白人社会に同化を求めた『ゲット・アウト』。BLM運動を予見した『アス』。など、ジョーダン監督の根底にあるのは今でも抑圧・迫害を受けているアフリカ系に対する白人への激しい抗議がある。

 

でも本作は監督自身が「夏休み映画を目指した」と公言している通り、メッセージよりも娯楽の成分が多めになってはいる。だから、ジョーダン監督作では一番見やすい。

 

見やすいが、やはり監督らしさは残っている。

 

本作には色々と隠された何かがあるのだろうが、個人として一番に感じたのは、カウボーイのドラマか。

 

一見、『ウルトラQ』や『アウターリミッツ』のエピソードな物語だけど本質としてのドラマはコレ。

 

そんでもってカウボーイ。実は本作はアフリカ系が主役のカウボーイのドラマ。アメリカにはかつて20パーセント、4人に1人にアフリカ系のカウボーイが存在したのだけども、それを無かったことにして消し去って、カウボーイ=白人のイメージにしたのが映画産業。

 

それに対する抗議がパラパラ動画のアレよアレ。

 

最初にアレを聞いた時「えっ?」と思って調べたら、本作の創作らしい。

 

そして本作の主人公は西部劇にありがちな役設定の時代遅れの無骨者として描かれている。スマホよりも今でも携帯電話を使いつづけ、口達者な妹に比べて口下手な者としてだ。そして過去にトラウマも持っている。ヒント:スコーピオン・キング

 

NOPE(画像はIMDb)

そんな彼もクライマックスになると活躍する。まさにカウボーイ。正確にはカウボーイになる。なった。というべきか。かかる楽曲もエルマー・バーンスタイン風でありエンドロールにはエンニオ・モリコーネ風の楽曲で締めるところからも一目瞭然。

 

白人たちにカウボーイというヒーローを搾取されてきたジョーダン監督なりの映画産業に対する意趣返しとして察するのが当然といえば当然。

 

そして、もうチョコっと付け足すとカウボーイというのは、どちらかといえば文明よりも野生に即した感覚を持っているというところで、ここでいう野生とは「人も生き物の中のひとつにすぎず、油断をするとすぐにその命を落としかねない」という事。主人公はそれを熟知している。役どころが映画撮影のためのホーストレーナーなのは、調教師(野生)と映画(文明)を対比させるために設定されたと考えるのが筋だ。

 

実は本作では、ある文明人が野生を飼いならすことができると信じてある無謀な行為をするのだが、それが過去の体験に基づいているのが語られる。だが、興奮状態でバッコンバッコンとやったアイツとガタガタと震えているアイツとはテーブルクロスの端で視線を遮られていたからこそ、そうゆう考えになってしまったからで、簡単に野生を飼いならすことなどできはしないのだ。

 

とまぁ、話が脇にそれたけども本作がアフリカ系カウボーイのドラマなのは明白。

 

あと、前作『アス』ではサスペンス演出にロマン・ポランスキーの不穏さを使ったジョーダン監督。本作で顕著だっだのはスピルバーグ作品へのオマージュというか引用とかというべきか。だから『未知との遭遇』と『E.T.』は当然だが、クライマックス前の上からのドバドバはどうみても『宇宙戦争』からだし、クライマックスのアレはどうみても『ジョーズ』。

 

AKIRAエヴァはもう良いでしょう。

 

とはいえ、娯楽として面白いのだけども、シレっとナホム書 第三章 六節を持ち出して、娯楽というのは強者と弱者の関係性があってはじめて成り立つ。なんてチクリなメッセージも忘れないのがジョーダン監督。

 

だから、あんなにも写真にこだわる。写真を撮るというのは強者だから。

 

でも、自分が本作が好きなのはそんなところじゃない……

NOPE(画像はIMDb)

手回しIMAXカメラってなんだよ!

 

これを考えた奴前に出てこい!

 

ほめてやる!

 

そこか?

 

おうよ!(セルフボケツッコミ)

 

というわけで、コレで本作は今年のσ(゚∀゚ )オレベストになりましたとさ。

 

劇場で鑑賞。

 

 

 

 

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