えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

晩酌で観た『アウトブレイク』

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

ストーリー

米国陸軍伝染病医学研究所(USAMRIID)のレヴェル4(最高警戒度)研究チームのリーダー、サム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)は、指揮官のフォード准将(モーガン・フリーマン)に命じられ、アフリカの小さな村に派遣された。そこで彼は、未知のウイルスによって村人たちが次々と死ぬのを目の当たりにする。サムはウイルスがアメリカにまで広がる恐れがあると判断し、警戒態勢を敷くように進言するが、フォードは“モタバ・ウイルス”と名付けられたこの病原菌の研究をやめるよう命令する。その直後、カリフォルニア州シーダー・クリークという町で、住民たちの間に伝染病が発生した。症状はサムがアフリカで目撃したものと同じだった。

スタッフ

監督ウォルフガング・ペーターゼン
脚本ローレンス・ドゥウォレット ロバート・ロイ・プール
製作総指揮ダンカン・ヘンダーソン アン・コペルソン
製作アーノルド・コペルソン ウォルフガング・ペーターゼン ゲイル・カッツ
撮影ミヒャエル・バルハウス
美術ウィリアム・サンデル
音楽ジェームズ・ニュートン・ハワード
編集ニール・トラビス リンジー・クリングマン ウィリアム・ホイ

1995年製作/アメリ
原題:Outbreak

映画.comより引用

 

今回はネタバレスレスレの紹介解説モード

 

もう少し、このコロナ渦はつづきそうだが、書くならこのタイミングしかなさそうなので。

 

なにせ、コノ作品。少なくとも日本においては作品の評価とは別に強烈な印象を人々に残しているからだ。

 

それはさておき、知っている者ならもはや常識なのだが、基になったのは1994年の書籍リチャード・ブレスナン『ホット・ゾーン』で、当初フォックスが映画化するはずだったのが頓挫してワーナーでコノ作品となった経緯があるので、アイディアのある程度は『ホット・』と被っている。明らかにココで登場するモターバ出血熱のモデルは当時世界を震撼させたエボラ出血熱で、さらにその感染ルートが密猟された小動物なのも一緒。

 

とはいえ、映画としてはかなり誇張されてもいる。感染から発病の速さ、毒性の凶悪さなどはコノ作品オリジナルのアイディアで現実にはそこまでのウィルスは存在していない……まだ。

 

監督はウォルフガング・ペーターゼン。 代表作がココでも紹介したことある『U-ボート』(1981)や『ネバーエンディング・ストーリー』(1984)などの仕掛けが派手なアクション作品を撮る監督さんだと誤解されているっぽいが、本質としては泥臭いヒューマンドラマの人である。

 

泥臭い、とは。ペーターゼン監督の好きなモチーフは「どん底にいる人間がどうやって立ち上がるか、または落ちてゆくか」の方に強いこだわりがあって、市井の者がなんやかんやで英雄になる。とか、偶然に何かを手に入れて変わってゆく。とかにはあまり興味がなさそうだから……だろう。(弱気)

 

だって、『ネバー・』以降でクオリティが高いのは『ザ・シークレット・サービス』(1993)くらいだしさ。(ド直球)

 

だけど、『第五惑星』はキライじゃないし、『エア・フォースワン』は頭かかえつつも、なんやかんやでネタ作品としては楽しめたしな。(本心)

 

そして、コノ作品も結構に無茶。

 

なにせ、ジャンルがパニックアクションスリラー、という三つのジャンルが混合している渋滞ぶり。本来ならパニックアクションとかアクションスリラーとか、はたまたパニックスリラーとかの2種混合なのにだ。無茶振りがすぎる。

 

物語が前述したアバータ出血熱の設定と共にご都合主義な展開になっている。だからアメリカ本国では評論家&一般ともに評価はあんまり高くはない。

 

ないのだけども、それはアメリカ本国の話であって、我々日本では結構に評価は高い。

 

確かに、日本の大衆は何でも入っている幕の内弁当が好きだし、クライマックスは感動でやるから、こうゆう何でも入っている感はお得感が高いと思っているのかもしれないし、それ+公開当時としてはタイムリーな話題として受け入れられたのだけども、繰り返しにはなるが、本質としてはコレは泥臭いヒューマンドラマで実に日本人好みの作品なのだ。

 

だってクライマックスはアクションじゃなく弁舌で乗り切っちゃうのだから。

 

そうゆう意味ではコノ作品。実は 海猿→劇場版コード・ブルー→TOKYO MER 系アクションの源流にある作品であり、日本の大衆に受けるフォーマットでもあるのだ。

 

 

だから、一般的には一気呵成・疾風怒濤に感じて、最後は泣かすので満足度も高い。

 

ただし日本だけな!(念押し)

 

ただ、一応弁護をしておくと、表面上はパニック+アクション+スリラー体だしジャンルはそうなんだけども、根幹にあるのはペーターゼン監督独自のドラマなので、スタイルは演劇に近い。ケレン味あふれるミュージカルよりも演技で魅せる演劇だ。

 

だから、アクションよりも役者どおしの演技掛け合いの妙味を愉しむのが筋であって、なので、レネ・ルッソモーガン・フリーマンドナルド・サザーランド、そしてさらにまだまだ無名だった、ケビン・スペイシーキューバ・グッテング・Jrが入って、さらに主役が当時としては時代遅れ気味なスターだったダスティン・ホフマンがキャスティングされた事で、展開弱々、ドラマ脆弱なところに、ある種の補強が掛り、それが強度となってコノ作品を支えているのは間違いはない。

 

アウトブレイク

これが、ハリソン・フォードなら、『エア・フォースワン』並みの…(以下自主規制)

 

まぁ、そういったのは別にしてコノ作品は別の流れで、人々の心に傷を残している。毒性の高いウィルスが飛沫感染で広がる。というイメージを植えつけたのはコレがはじめて。そのものズバリのカットも出てきて、これは後のフィクションやノンフィクションにもそれは使われている。

 

これは後にSARS、A型インフルエンザ -- 余談だが、2009年『感染列島』はこのウィルス -- そして新型コロナウィルスが大流行でちょっとしたパニック状態になったイメージを作り上げたのはココからだろう。

 

まぁ、コレよりも真面目な『コンテイジョン』(2011)ではないよな。

 

そのイメージはちゃんとコノ作品を見てね💖

 

そうゆう視点から見れば、出来上がったドラマとはまた別に世間の思惑を作り上げた作品かもしれない。

 

さて、これで締めても良かったけども、最後にどうしても言っておきたいことがある。

・・

・・・

・・・・

ヘリOH-6が格好良かった!

 

アウトブレイク

これが活躍している作品って『カプコン1』(1978)と『ブルーサンダー』(1983)の2作しか知らないが、そっちはもはや伝説級なのに、それに対して語られないコノ作品のOH-6のカッコ良さももっと褒めてやるべきで、誰も語らないから自分がやってやる。

 

OH-6最高!

 

DVDで鑑賞。

 

 

 

 

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