ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命されたリディア・ター。天才的能力とたぐいまれなプロデュース力で、その地位を築いた彼女だったが、いまはマーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと、新曲の創作に苦しんでいた。そんなある時、かつて彼女が指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは追い詰められていく。
スタッフ
監督 脚本トッド・フィールド
製作トッド・フィールド スコット・ランバート アレクサンドラ・ミルチャン
撮影フロリアン・ホーフマイスター
美術マルコ・ビットナー・ロッサー
衣装ビナ・ダイヘレル
編集モニカ・ウィリ
音楽ヒドゥル・グドナドッティル2022年製作/158分/G/アメリカ
原題:Tar映画.comより引用
今回はネタバレスレスレの解説モード
注意:今回は核心に迫る内容には言及していませんが、純粋に楽しみたい方には読まない事をお勧めします。
ウ~ン、駄目だこりゃ(^^ゞ
ぜーんぜんノレなかった。
単純にラストカットのアレが意味不明で脱力してしまい、ソノ後に調べてみたら、わりと重要なカットだったらしいのには気がついたが、後の祭りというヤツで、作りに感心はしたけども心を揺さぶる感じは起きなかったのもまた本心。
やりたかったのは「アート(西洋音楽)と権力」なのは、まぁ分かる。そしてそこは批判的に撮ったトッド・フィールド監督もアートそのものには敬意を表してのアレなラストだから。
コノ作品は情報量が多い、かつ、終始ターという人物からの一人称視点で物語が展開するのでミステリー・スリラーぽっく感じるだけで、本質はとてもシンプルなドラマで。ターが経歴を偽っているのは最初の方で簡単に察することができるし.-- ヒント:バーステイン -- そこからターの身辺に起こる不可解な出来事は彼の罪悪感が見せているモノだと推察もできるからだ。
そんな彼が「完璧な美」という名実のために西洋音楽(クラッシク)のコンダクターの地位を使って権力を行使していたことに気がついて -- ヒント:5とゲロ -- 改心してゆく流れになってはいるのだけども。繰り返しになるが、ラストのアレの第一印象は「何じゃコリャ?」であって 、後で調べて「なる程、そうゆう話ね」になったのだから。
西洋音楽はまだまだ欧米中心、白人中心の歴史と文化で動いているメインカルチャー・ハイカルチャーだから、そこは批判として描きつつも、締めとしては、歴史と文化に基づかないサブカルチャーに属するゲームで音楽というアートに希望をもたせるのも理屈では分かるのだけども……
ぶっちゃけ、感動ポイントでズッコケたってヤツです。
ケイト・ブランシェットを愛でるだけなら良し!
劇場で鑑賞。