ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]


先日、映画監督のテッド・コチェフが死去した、享年94歳。

コチェフは映画としては17作品を残したが、半数ちかくが日本未公開で、そんな中でも日本で知られているのは『ランボー』(1980)くらいな人物だ。
その中から今回はコノ作品について語ってみたい。
ーー まぁ本来、出来の良さでなら、『料理長殿、ご用心』(1978)とか『ノース・ダラス40』(1979)とか、それとも『荒野の千鳥足』(1971)などをやるべきなのだろうけども、手持ちが『ランボー』とこれしかないもんで💦
内容は、ベトナム戦争時に息子がMIA(戦闘中行方)になった退役軍人である父親が調査により、その息子が生存しており某所で囚らてているのを知り、重い腰を上げない政府の代わりに同じ境遇の石油王の資金援助を受けてかつての息子と戦友だった者と救助計画をすすめるが、さてどうなるか?な流れ。
コノ作品は当時アメリカでちょっとした話題になっていたベトナム戦争でのMIAを題材にしており、同月のライバル作だった『ダーティーハリー4』や『スカーフェイス』を押しのけてトップになり、後のチャック・ノリス『地獄のヒーロー』(1984)シルベスター・スタローン『ランボー2/怒りの脱出』(1985)やTVドラマ『超音速攻撃ヘリエアーウルフ』などに影響を与えている。
しかし評価は賛否が分かれた。ここでのMIAについては当時、政府も調査していたがベトナム戦争行方不明者の家族としては満足できずに、それとは別に現実に元空軍中佐や元陸軍特殊部隊等に団体として救出作戦込みの調査に資金を出していた背景があるからだ。ようするに政治的にデリケートな状況だったのだ。
ちなみにアメリカは1991年から1993年にかけて最大かつ徹底的に戦時行方不明者等(アメリカ上院捕虜・行方不明者問題特別委員会)を調査していた結果、同国人を生きたまま捕虜として捕らえている説得力のある証拠は見いだせ無かったと結論づけている。
さらにちなみにコノ作品、原案のウィングス・ハウザーによれば、当初は『コヴェナント/約束の救出』(2023)のようなシリアス近いトーンだったのが、制作にリアル&シリアスよりロマン&レジェンドを重視する男、映画監督のジョン・ミリアスになったためによりドラマがよりチックに強調された改変がなされている。
なので、コノ作品は公開当時でもリアリティよりも荒唐無稽なアクション映画として当時は認識されていたし現在でもソウところに落ち着いている。
しかし、公開当時に話題作を押しのけスマッシュヒットを飛ばしたのはアメリカという国が反戦運動の熱気が収まった後に、右派・保守だけでなく、アメリカ世人に元々からある軍人を尊敬する風土が良いタイミングで甦ったからかもしれない。
つまり、留飲を下げた。
そして、前述した『コヴェナント』や『コン・エアー』(1997)『ブラックホーク・ダウン』(2001)などのドラマの中心にあった「戦友は見捨てない」という米国軍人の気風・精神を描いたからこそ好かれたのだと察せられる。

どさくさに付け加えておけば、『ザ・ロック』(1996)でテロ起こした人々も正義感だけではなく「戦友を見捨てた後ろめたさ」が心によどんでいるのが背景にある。

そして、軍人といえども職業人なので、政治的背景が感じ無ければ倫理観は違えども、根本としては同じなので、違うお国である日本人の自分等にも胸を打つ物語とドラマとそして感動となる。

今回はこれにて終了。
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