ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

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本作はガーランド監督の前作『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で軍事アドバイザーを務めイラク戦争で特殊部隊の従軍経験をもつレイ・メンドーサの実体験を基にガーランドと共同監督で最前線における兵士の極限状態を出来うる限り再現した……らしい。
らしい、というのはもちろん映画なので演出はされてはいるが、ソレは光(照明)と音(音響)だけという最小限のモノだけで、印象でいうなら具が入っていない出汁と醤油だけの吸い物という感じだ。
もちろん、この吸い物は美味い。
美味いが、それだけなのだ。
コンセプトは明快で、我々鑑賞者を彼らが体験した現実をできうる限り鑑賞者にも疑似体験させる、のが目的なのは裏側を知らなくてもスグに理解できる。
そうゆう意味では、本作は戦争映画というよりも戦場映画と呼ばれるべきで、鑑賞の環境も家よりも映画館という閉鎖空間と音響設備が整った場所で観るのがベストだ。
でも、今からぶっちゃけトークをすると、本作は通好み過ぎて一見さんや初心者にはとっつきにくくなっている。だから今は話題でも数年後には誰も語らなくなる作品だ。映画館でしかその魅力が発揮されない事も含めてだ。
みんな『サウルの息子』(2015)って作品を覚えてる!?
さすがに『関心領域』(2023)についてはまだ覚えているだろうけども。
あの作品たちも映画館という環境で無ければソノ魅力が発揮されない作品で、本作もそうだ。
でも、そんな通好みとは違って、一般人は物語と登場人物の描写、早い話がキャラで作品を認識して覚えてゆくのが当然なのだが、本作ではその部分がかなり薄い。
そうゆう意味では、作品自体の求心力は弱いと自分は考えている。

ところで、ガーランド監督の前作は「ゾンビ映画みたい」と一部で評されたが、それがロメロ監督の『ゾンビ』(1978)だとしたら、本作はまさしく『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)という立ち位置になるのだろ。それが、どうした!だが。
劇場で鑑賞。
監督:レイ・メンドーサ アレックス・ガーランド
製作:アンドリュー・マクドナルド アロン・ライヒ マシュー・ペンリー=デイビー ピーター・ライス
脚本:レイ・メンドーサ アレックス・ガーランド
撮影:デビッド・J・トンプソン
美術:マーク・ディグビー
衣装:デビッド・クロスマン ニール・マーフィ
編集:フィン・オーツ
(データと画像は映画.com)

