ここでは題名と名称を恣意的に表記します[敬称略]

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まだネットが無かった頃、小学生の話である。
『カリギュラ』見に行こうぜ。

級友のAがいきなりこう切り出した。
その場にいたのは、オレと同じく級友のBとCだったが、オレもそしておそらくBとCも頭に「?」のマークが過ったのは間違いはない。
『カリギュラ』とは、当時エロい雑誌といわれていたペントハウスの創始者であり社長だったボブ・グチョーネが大金を投入した歴史大作であり、何よりも最大の売りだったのは名だたるスターが出演したハード・コアポルノ映画だったってところだ。
当時は大島渚監督が『愛のコリーダ』を発表し、これが陰部が無修正・隠さなかった日本初のハードコア・ポルノと言われたことから話題になっていた時期であり、これとは別に本当の性行をしたとかでワイドショーを賑わした『白昼夢』(1981)とかが話題になっていて、そうゆう表現方法がマスコミにセンセーショナルに取り上げられていた時期でもある。
しかし、それらは所詮は18歳以上の話で、当時小学生だったオレ等には縁遠い話だったが、Aが言うには映画そのものではなく、映画の宣伝をしている看板を見に行こうと提案してきたのが分かり、そこで納得した。
今はほとんど見当たらないが、昔は通学路や通勤経路には今度または現在上映中の映画のポスターが宣伝として貼られていて、その中にはもちろんポルノもあり、先生から注意喚起された事もある。
だがAが提案したのは、そんな小さいポスターではなく、ここから通学路の反対側片道1時間以上の道路に自動車道からもはっきりと見える某映画館の大看板があって、現在は『カリギュラ』が上映中だから、ソコに男女の組んず解れずな絵が描かれた看板が貼ってあるに違いない!と予想してオレ等を誘ってきたのだ。
BとCの内心はどうだったかは分からないが、オレはAの提案にスグに賛成して放課後に4人は早速、片道1時間以上かけてカリギュラの大看板目指してレッツゴーした。
歩きに歩きやっと目的地に来た時にAの予想どおり『カリギュラ』の大看板はあった。
赤い色をバックにして白い文字で『カリギュラ』絶賛上映中!と。
超シンプルな大看板。
オレ等が、いやオレが予想していた、男女組んず解れず、なんてのじゃなかった。
今にして考えれば当然で、自動車から見えるくらいの男女のアレヤコレヤが見えたら世間的には大問題になるのは決まっているので、そんな事になる訳がないのだが、まあガッカリした思い出が……だったかもしれない……多分。
そこんトコロはほぼ記憶が無い。いや、ハッキリと覚えているのは四人でそれを見に行ったという事実だけ。
その『カリギュラ』が最近「究極版」なるものになって上映されているのをきっかけで、フトそんな昔を思い出したので、無理矢理記憶を揺り動かしてここに書いてみた。
ちなみに、『カリギュラ』はずっと後に観ました。
おしまい。
(画像はimdb)
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