ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
2051年から現代にやって来たタイムトラベラーグループにより、30年後に人類は未知の生物との戦争に敗北するという緊急メッセージが伝えられる。人類が生き残る唯一の方法は、現代に生きる兵士と民間人を未来に送り、戦いに加わることだった。幼い娘を持つ高校教師のダン・フォレスター(クリス・プラット)は、娘の未来のために戦う決意をする。
シネマトゥデイより引用
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
今日のポエム
だみだこりゃ!
今回はネタバレ無しの酷評モード
本作の背景にあるのは、2001年9月11日から始まったアメリカの対テロ戦争であり、同年のアフガニスタンでの戦争と2003年からのイラク戦争に従軍してから本国に戻った米兵たちの心を今なお蝕んでいる心的外傷後ストレス障害 (PTSD)があって、それを本作はモチーフにしてドラマにしている。
事実、本作では、一度従軍したので義務はないが再び戦場へ行く者とか、-- キャスリン・ビグロー監督『ハート・ロッカー』(2008)を思い出してほしい -- 戦場で怯えて隠れていた者とがか登場人物として出てくるし、第一に主人公は未来の戦場で、どうしょうもない精神的な傷を受けて心が病んで家族関係が破壊されるらしい……なので、どうみたってPTSDそのものだ。
さらに主人公の父親がベトナム戦争で、どうやらそれに患わされているらしい。のも匂わせているので、これは確定だ。
それでは、本作では、それをどう描いたかと言えば、戦場での自分の覚悟が足りなかったために心が病んでしまったが、覚悟を決めて再びに挑む!という解決法で、ワンスモアアゲインならぬウォーアゲイン。な超乱暴すぎる解決法であり、ドラマだ。
これだけでもリベラル&左派からみたら噴飯ものだが、それ以前に自分はこの物語に全然ノレなかった。
まず、前半の展開で大いにつまずいた。未来の戦争のために過去から訳アリの人々が招集されて戦場へ赴く設定は呑み込めたとしても、戦闘経験の無い人々を軍事教練もSFチックな軍的サポートメカも装備させずに、いきなりタイムジャンプ。そしてアーーーーー!だぜ。貴重な兵員をゴミの様な扱い。
バカなのか。
いやでも、これはもしかして 中国人民解放軍がやった、とにかく多くの兵員を消耗品として投入することで敵を潰した人海戦術みたいな何かなのか?と思いきや、与えられた命令が研究者の救出とデータ回収という練度が高い兵にしかできないミッションを素人同然の連中にやらせるという、これまたトンチキな展開で、自分の中の本作に対するリアリティラインが完全に迷子状態に。
ちなみに、素人同然なのに戦闘のハンドサインが誰もが知っているのは、まぁあの国は映画やテレビでそんなもんばっかりやってるから、で自分納得。
それでは、これは戦争を皮肉で描いた喜劇なのかとも思ったが、-- だって、監督が『LEGO ムービー』(2014)、『レゴバットマン ザ・ムービー』(2017) のクリス・マッケイなので、その方面が得意だから -- 進むにつれ、どうやらシリアスらしいと覚った瞬間にハッキリと確定した。
コレ本来なら、ショッピングかホームセンターの片隅にあるワゴンに500円のワッペンを貼り付けてこんもりと盛られているタイプの作品だ。……だと。
それでは身も蓋もないので、主役のクリス・プラッツを活躍させることで大作感を出したみたいな何かだ。-- 余談だがクリス・プラッツは本作に製作総指揮として名を連ねている。
ダメ作品じゃん!
これ、本当に劇場公開しようとしたけど、この新型コロナ下でそれもならずにアマゾンプライムビデオ行きなったのは正直運が良かった。としか……。
なので、一気に覚めたおかげで、「エイリアンの造形はH・R・ギーガーの頃から変わり映えしないよな」とか、「あのシーンは『スターシップ・トゥルーパーズ』からだよな」とか、「あれは『オール・ユー・ニード・イズ・キル』からだよな」とか、の粗探しに終始した。
こんな作品が140分も尺があるんだぜ。
またまたちなみに、どうも本作はタイムパラドックスが起こっているが、昨今のハリウッドタイムループはそんなモン犬にでも食わせろ状態なので、あえて語らず。
親と子の家族のドラマを入れておけば、SF嫌いな奴でも感動できるだろ。な安易な作りに逆に潮が引くが如くにサラに覚める。
そんな本作の楽しみ方は、はじめからバカ映画として観ろ!だ。
でも、コレは実況向けではあるんだよな。
VODで鑑賞。