ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

今回は主旨をわかりやすくするために、1982年の『トロン』を"トロン"、2010年の『トロン レガシー』を"レガシー"、そして『トロン アレス』を"アレス"または本作として呼称します。また、核心に迫る内容については言及しませんが、純粋に楽しみたい方には読まないことをお勧めします。

面白かった……というより楽しかったね!
そんでもって内容は、前作レガシーから15年後が舞台で、トロンで登場したエンコム社と因縁があるデリンジャー社のCEOがデジタル世界のAIキャラアレス等を実体化させることに成功してお披露目をする。強靭な体躯と破壊性に見学者は驚くが、実は実体化は29分しか持たないのを隠していた。それとは別にレガシーでの主人公が関わっていたエンコム社ではそれを永続的に持続させるコードを発見して公表しようとするが、デリンジャー社のCEOがそれを察知してアレス等を実体化させてそれを奪おうとする。が、実はそんなアレスに異変が起こっていて……な流れだ。
おそらく、本作の背景にあるトレンドとコンセプトは、現在アメリカや中国がAI開発に力入れている現状、それは他国の成果物を自国のAIに絡ませて、それを自国の製品として売り出そうとしている現状がある。
まぁ、あれだけ派手に暴れりゃ秘密も陰謀も何もないんだが💦
また、昨今の作品らしくソコにポリティカル・コレクトネスの視点で語れば、敵役となるデリンジャー社がいわゆるITと投資をからめてのしあがったテック長者をイメージしているのにエンコム社は人種の多様性がある風土を持った企業として描写されている。
そこに、AIやロボットなどの人工物が人としての感情を持つという手垢がつきすぎたドラマを組み入れているのが本作。
ただ、このアレスが感情に芽生えるというのが気が利いて、1980年代に結成されたエレクトロニック・ロックのデペッシュ・モードがお気に入りだと言っちゃうところ。日本では電気グルーヴの石野卓球がこのバンドのファンで、チョイ調べたら本作の楽曲を書いたNIN(ナイン・インチ・ネイルズ)もソウらしいのだが、その特徴を大雑把にまとめれば、無機質が売りだった電子音楽にメランコリック、つまり情感を取り入れたところ。そんなサウンドを好きだという件はAIというソフトウェアな存在でしかないアレスに感情が芽生える橋渡しを具体的に伝える描き方になっている。
こうゆう小ネタが本作にはアチラコチラに散りばめてられている。
しかし、鑑賞の前に気になるのは「前二作品を鑑賞しなくても良いのか?」だが……
そんな事は気にするな!
ここからいきなり観ても大丈夫!
何故ならコレはドラマを愉しむのではなく、ノリを愉しむ作品だから。
レッツ、グルーヴ、グルーヴ。
マジにディスコ!
フィーバー、フィーバー!
ディスコなんて2回しか行った事がないけどな!
それを含めて、本作に貢献したのは前述したNINの楽曲なのは間違いはない。
そうゆう意味ではコイツは21世紀のフラッシュ・ゴードン。

アレも物語やドラマというよりもノリで愉しむ作品だった。
だから、必ずしも作品世界を理解する必要はない。
大体、トロンやレガシーだって「映像はすごいが物語がわからん」という評価だったので、コレはコイツ等にとってはまさに勲章。
これが、トロンサーガ。
しかしマァ、それらを含めても本作に映像革命なところがあるのか?といえば無い💦

でも、イーじゃん。
(画像は映画comより)
劇場で鑑賞。
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