ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
シチリアでの事件で負傷し心身ともに限界を迎えたマッコールは、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町にたどり着く。身内のように温かく接してくれる人々の存在に救われた彼は、この町を安住の地にすることを心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する。しかしその町にも魔の手が迫り、マッコールは大切な人々を守るため再びイコライザーの仕事を開始。やがて事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大していく。
スタッフ
監督:アントワン・フークア
製作:トッド・ブラック ジェイソン・ブルメンタル デンゼル・ワシントン アントワン・フークア スティーブ・ティッシュ クレイトン・タウンゼント アレックス・シスキン トニー・エルドリッジ マイケル・スローン
製作総指揮:デビッド・ブルームフィールド タラク・ベン・アマール アンディ・ミッチェル
キャラクター創造:マイケル・スローン リチャード・リンドハイム
脚本:リチャード・ウェンク
撮影:ロバート・リチャードソン
美術:ナオミ・ショーハン
衣装:ジャンニ・カサルヌオーボ
編集:コンラッド・バフ
音楽:マーセロ・ザーボス2023年製作/109分/R15+/アメリカ
原題:The Equalizer 3映画.comより引用
今回はネタバレスレスレの誉め解説モード。
注意:今回は核心に迫る内容には言及していませんが、純粋に楽しみたい方には読まない事をお薦めします。
弱きを助け強き者には強く地獄を味わせる男ロバート・マッコール第三作目。
臭い匂いは元から叩くスピリットで、末端の構成員だけでなくソイツ等が属している組織そのものをぶっ壊します。要するに殺す殺す男。
いや~愉しみました
「楽しみ」ではなくて「愉しみ」なのは客観的にみて良かったというよりも好みにジャストフィットしていたってのが正しい認識だから。
さて、本作は今風にまとめるとチートな能力を持つ主人公がピンチもなく、自業自得だが不幸にもターゲットとなった倒される悪の断末魔を愉しむのが見所になっている。
早い話が、マンガ『北斗の拳』の「ひでぶ!あべし!」の瞬間とほぼ同じ。あるいは異世界なろうファンタジーの悪党の最後と同じ。
だから、今回も悪党どもが、どんな断末魔こと「ひでぶ!」になるのかが大きな見所。
なので序盤の、床をダーン、ダーンも結構キテいたがクライマックスもう最高!
ちなみに雰囲気はこんな感じ↓
マッコールさん、煽り芸がさらに上手くなって、イイワ、とてもイイワ……。
お約束のアノセリフも当然のごとくあるよ♡
そして、本作ではシリーズのもうひとつのお約束だった、頑張っている者を応援サポートするエピソードが無いために上映時間が2時間内の109分。その分マッコール節が濃く堪能できるという良い傾向に。
さて、作品別に一作目がロシア風、二作目がアメリカ風な味付けをしていたこのシリーズ。今回の本作殺しの舞台を変えてアメリカを飛び出してイタリアへ。もちろんソレもイタリア風。
ぶっちゃけジャッロです。
ジャーロとも呼ばれているジャッロは今や大衆文化として広範囲に影響を与えているので、映画に限っていえばマリオ・ハーヴァ監督に1964年『知りすぎた少女』からなのだが、自分としてはダリオ・アルジェント監督作品群とまとめてしまったほうがシックリとくる。そのキーイメージは大雑把に分けて三つ。
◯超自然的なオカルトではない。
◯現代を舞台にしていても、どこか幻想的雰囲気が漂う。
◯とにかく残酷な印象をもたらす。
こんな感じ。
ようするに、『ハロウィン』(1978)や『13日の金曜日』(1980)などのスラッシャーホラーの源流にあるのがジャッロ。だから本作もホラー色が前二作よりも強い。
うん、マッコールさんにピッタリだ。
だから、舞台をアソコにしたのね。マリア像いっぱいだから。
元々、このシリーズは善良な顔と残酷な顔とのギャップが激しいマッコールさんを演じているデンゼル・ワシントンの演技とキャリアがあってこそのキャラでもある。善良な者に対しては屈託のない笑いを出せる男が、悪党に対しては地獄の使者にしか見えない顔を出せる演技力はアクション筋の俳優よりもドラマ筋の俳優である彼がパブリックイメージっとしてもシックリくるところがある。
この三作目気に入った!
でも、若い頃に観ていたら、前作よりも地味に見えて「何だよこれ!」と反発していた可能性は大。これは歳をとってだからこその感動だろ。
そうゆう意味ではタイミングが良かった。(マッコール風)
余談だが、デンゼルさんつながりで、『マイ・ボディガード』(2004)を観ていたら、チョットニヤニヤします。
劇場で鑑賞。