えいざつき ~映画と世情と日常と~

何かの感想というよりも、それで思い出した事を書きます。映画、SFが多めです。そして、たまに妄想が暴走します。

『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』が語る「夢」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][加筆修正有]

 


映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』特報【HD】2017年3月18日公開 

 

ひるね姫』かなり観る人を選ぶ映画だ。正直に言えば自分も手放しでおススメするのにはかなり抵抗はある。あるが、冒頭にあれだけ自分の好きなモノを投入されたら応援するしかないではないか!

 

ここではある人物が本来なら他人の夢に入り込むことなど出来ないのにどうして「その夢」に入り込むことが出来たのかに注目して書いてみたい。実はこの部分は映画のテーマの根幹に関わると自分は考えているからだ。

 

 

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注:ネタバレ部分は白で書いています。反転してお読みください。

 

 もともと学問そのものが……時代をこえて、大勢の人間によってうけつがれてきた巨大な “夢” のようなものだからな……

   小松左京著『さよならジュピター』より 

 

 

結論からいうとこの映画は技術者賛歌、そして未来賛歌の映画だからだ。

 

そしてココネの三世代の親子孫を通して描かれるのは「人にとって学問や技術とは具現化して引き継ぎができる夢」として描かれている事。

 

企業が思い込みでイノベーションのきっかけを失うのは世界初の飛行機を発明したのにも関わらずチェーン駆動にこだわったあまりにプロペラ機(発動機)の流れに乗れずに没落したライト兄弟のエピソードでもあきらかだが、ここでは東京オリンピック3日前の設定である世界を変えるかもしれないあるテクノロジーの争奪戦がおこなわれる。

 

ネタバレ始め

 ココネの母であるイクミは自動車の自動運転システムを開発していた。それがこれからの社会にとって必要だと、そしてそれがきっかけで父である志島一心と、彼は自動車として従来のスタイルにこだわっていたあまりにイクミを理解できなかった。ために親子の縁を切る事となる。

 

つまりココネの父でありイクミの夫であるモモタローが娘に語っていた「おとぎ話」はイクミと一心の物語であり、志島自動車内の政争の話でもある。

 

これだけなら親子孫三代に渡る確執と和解を描いた映画と納得もできるのだが、ここから唐突に挿入されるのはココネの幼馴染であるモリオがココネの夢へと入ってくる場面だ。これは何故か?もちろんモリオが他人の夢に参加できるのはちゃんとした理由がある。彼も技術者(の卵)だからだ。これによってイクミとモモタローの「夢」は技術者なら誰もが思うモノに導き出されて、この映画のメッセージが明確になった。

 

ひとつのテクノロジーが社会を変え、そして人の心もかえる。これだ!

 

だからこの映画は技術者賛歌の映画なのだ。技術者にとって「本望」というべきモノを描いているから。

 ネタバレ終り

 

これを「ネオモータリゼーションの夢を描いた」というのはたやすい。たやすいが、元々ラジオやテレビやパソコンがそうした技術者達の「夢の山」で成り立っているのを感じれば、そして自分達が目に付いてるのは山の頂点の部分だけで麓に行けは行くほど目立たない、すぐに忘れ去られた技術の「夢の跡」で成り立っているのを少しでもいいから憶えているのなら、この映画のメッセージに胸を締め付けられるだろう。

 

そして何よりも映画という表現方法技術そのものがイノベーションの感動なのだから。

 

そうゆう意味では『ひるね姫』は世界中の技術者達にエールを送っている映画なのかもしれない。

 

 

 

ひるね姫 オリジナルサウンドトラック

ひるね姫 オリジナルサウンドトラック

 

   

 

 

 

 

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