えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『虐殺器官』から垣間見る伊藤計劃の「文法」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 


「虐殺器官」新PV 

早世のSF作家 伊藤計劃の『虐殺器官』を読むと著者がかなりの映画ファンだと感じる。『虐殺器官』だけでも『CURE』『ゼイリブ』の影響を感じ取ることができる。

 

ただ映画はドラマが原作よりも弱くなっておりラストの感動(衝撃)が弱くなっている。そこの問題は後述して、ここではPROJECT ITOH 伊藤計劃の最後の映画化『虐殺器官』 --実際にはこれが先だったらしいが、問題があって最後になったーー を基に『ハーモニー』『屍者の帝国』も含めて著者の長編三作を貫くテーマは何か?伊藤計劃の自分が感じた特徴を書いてみたいと思います。

 

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 ここからはネタバレになります。映画を観ていない方にはおススメできません。

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キチジローをよく見ていれば『沈黙-サイレンス-』はよく解ります

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][誤字脱字修正有]

 


映画『沈黙-サイレンス-』アメリカ版予告編 

 

スコセッシ監督渾身の力作!が『沈黙』の感想だが、正直、自分にはこの映画を受け取る感覚にはなれなかった。遠藤周作の原作はずっと前に読んだきりで忘却の彼方だし篠田正浩監督のは観ていないから。ここでは素直に自分のこの作品に対する見立てととまどいだけを書いておきたいと思う。

 

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ここから先はネタバレになります。映画を見ていない方にはおススメできません。

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『ザ・コンサルタント』は、ほっこりバイオレンスアクションです

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略] [加筆修正有]

 


映画『ザ・コンサルタント』予告編 

 

大藪春彦というよりも小池一夫だったよ『ザ・コンサルタント』は。

そして信じられないかもしれないが観終わった後に心が少し温かい感じになります。

ここではその「ほっこり」を二つ書いてみます。

 

 

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ここからはネタバレの部分になります映画を観ていない方にはおススメはできません。

 

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『ドント・ブリーズ』に映る「荒涼」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][加筆有]

 


DON'T BREATHE - Official Trailer (HD) 

 

www.imdb.com

 

シリアスな『ホーム・アローン』か、それとも『パニック・ルーム』か?と思いきや中盤から『悪魔のいけにえ』並みのホラーに転じてゆくのが『ドント・ブリーズ』だ。そして観終わった後の感触はまさしくサイコサスペンスでもショッカー映画でもなくまさしくホラー映画なのだと感じてしまう。

 

そう、 『ドント・ブリーズ』はホラーだ。そして古めかしいゴシックの香りを放っている。

 

古めかしいと書いたのは、『ローズマリーの赤ちゃん』や『エクソシスト』のような近代的建築物や街並みでホラーをやるのではなく、誰もが寄り付かない土地にある寂れた大屋敷という舞台で繰り広げられるホラーの事だ。コレもここに入る。

 

しかし、『ドント・ブリーズ』に纏うその古めかしさは、現在のアメリカの社会状況が生み出したものでもあるのだ。

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