ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
「“ぶった斬り” エンタティメント」で宣伝している『無限の住人』は時代劇というよりも日本映画草創期のチャンバラに近い印象。「一人の男を大人数で斬ったり斬られたの様を見て楽しむ」感覚。ぶっちゃけ『雄呂血』のイメージだ。
そして原作を挫折した自分の印象は「普通に面白い」。だから、グロイ表現が無ければOKなのだけれども、「イマイチ」の声もあるので、それに対する自分なりの考えを書いていきたいと思います。
だから、今回は重箱の隅をつつくモノになりますのでお許しください。
言葉での説明は難しそうなので、まずはこの動画から。
これを見て『無限の住人』を思い出せば何が足りなかったのかが直観的に 分かるだろう。太刀の切っ先が見えていない画がありすぎる。のだ。
切っ先が見えないとどうなるのか?次の動画では……
アクション・殺陣教室 舞台で使える!棒術&剣術 基本と立ち回り
つまり切っ先が見えていないということは、いわゆる太刀筋が見えないことであり、太刀筋が見えないとチャンバラとしての美しさと楽しさが減少してしまう。
ちなみに同じ三池監督『十三人の刺客』だとそれを意識して引きの画が多かったのに『無限の住人』ではそれが少ないのは何らかの意図なのか、それとも『十三人』でそれができたのは役所広司や松方弘樹などの時代劇の経験者がいたから偶然にそうゆう画ができたのかが分からない、映画の冒頭を観る限りでは木村拓哉の殺陣は出来ているのにだ。
ともあれ、これが売り文句の “ぶった斬り" エンタテイメントの華やかさを押さえているのは確かだろう。