えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

燃えよ剣

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

 

江戸時代末期、黒船来航と開国の要求を契機に、天皇中心の新政権樹立を目標とする討幕派と、幕府の権力回復と外国から日本を守ることを掲げた佐幕派の対立が表面化する。そんな中、武士になる夢をかなえようと、近藤勇鈴木亮平)や沖田総司(山田涼介)らと京都に向かった土方歳三岡田准一)は、徳川幕府の後ろ盾を得て芹沢鴨伊藤英明)を局長にした新選組を結成する。討幕派勢力の制圧に奔走する土方は、お雪(柴咲コウ)という女性と運命の出会いを果たす。

シネマトゥデイより引用

 

映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!

 

今日のポエム

生きた、戦った、死んだ

 

今回はネタバレスレスレの褒め解説モード。

  

いやー、気持ちの良い作品だっだ。

 

血みどろだけどな!

 

そして、やっぱり原田眞人監督作品なのな。

 

もちろんそれは、あの新選組を題材しているので、「早口で何言っているのか聞き取れないから内容がよく分からない」とか、「新選組の事を知らないと楽しめない」とか、「幕末の知識がないと面白さが分からない」とか「原作を読まなきゃ」などの感想が出てくるからなのだが。

 

そんな心配は必要はない!

 

ハイ!原田作品のお約束

 

何故なら本作は土方歳三という男の生き様(または死に様) だけを描いているからだ。難しいところは何もない。

 

本作は土方歳三の回想で語られる。つまり土方が体験したことや聞き知った事を中心にストーリーが展開しているので当然そうなるのだが、実はその最後の描かれ方は史実と違うからだ。

 

ーー それに付け加えると、沖田総司の死に方にも妙なツイストが加わっている。それはまるで「総司はそんな死に様だった」と土方が願っているような描き方で。

 

その改変の必要性を考えると、つまり原田監督は「土方はそうゆう男で、そうゆう生き方をした」と語っていると考えるしかない。少なくともそう解釈している。

 

だから、前もってそうゆう知識を頭に入れる必要はない。

 

ただ楽しみましょう。

 

そして、余計な野暮で余計なお世話を承知でいうのだが、「〇〇の知識が無くては充分に楽しめてないのでは?」的な感想は、貴方がすでに、それらに興味をもった証でもあり、つまり、その作品に対する誉め言葉でもあるからだ。

 

知識があろうがなかろうがつまらんもんはつまらん!(体験者は語る)

 

なまじ知識があると返って楽しめないことは良くあるぞ!(最近体験した)

 

さて、本作はそんな土方の生き方とは別に他に魅力がある。斬り合い、殺陣がいい。

 

すごくいい。(しみじみ)

 

もちろんそれは土方歳三を演じた岡田准一が作品に巧くマッチしていたから。

 

具体的には『散り椿』(2018) で魅せた岡田オリジナルな殺陣をここでも披露していて、本作ではそれがより魅力的になっていたから。(画像はIMDb)

 

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散り椿

散り椿』は画にこだわるあまり岡田オリジナル殺陣はあまり魅力的にはみえなかったところがあったからね。監督は木村大作だし。

 

そして余談だが、時代劇には疎いので断言はしないが、役者本人が殺陣を作るって岡田准一と『座頭市』の勝新太郎しか自分は知らないのだけれども。(画像はIMDb)

 

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座頭市(1989)

それプラス本作では、余計なライトは使わず自然光で撮る。または自然光に近い感覚で撮る。をやっているみたいで、それはまるでスタンリー・キューブリックの『バリー・リンドン』(1975) を思い出すが、その後の影響を与えた作品と違うのは殺陣のシーンでもそれを使っているからだ。 

 

ーー もちろんそれが可能になったのは本作がフィルムではなくデジタルカメラで撮影されているからなのでもあるからかもしれない。感光して記録するフィルムとは違い電気信号として記憶するデジタルならではな撮影だろう。

 

だから、誰もが知っている&ドラマや映画で見たことがある芹沢鴨暗殺と池田屋事件のはずが、今まで見たことのないスリルと興奮に満ちて魅せてくれる。裏を返せば上記の事件を知っていても知らないでも充分に楽しめる。

 

血みどろだけどな!(大事なことなので二回)

 

つまりそれは、変にドライなところ ーー だって幕末日本の田舎描写にわざわざ幕末日本を描いたイギリス人画家チャールズ・ワーグマン風の絵にしているんだもの -- がある原田監督の癖と岡田の俳優としてのエゴが良い方に作用したとみるしかない。

 

まさに映画の神様の後ろ髪を掴んだ瞬間を見た。

 

自分としては原田監督と岡田准一は史実ではなく、オリジナル時代劇映画を撮ってもらいたいな。と強く感じたのでありました。

 

劇場で鑑賞。

 

 

 

 

 

 

 

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