えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

晩酌で観た『ミセス・ハリス パリへ行く』

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

ストーリー

1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリスは、勤め先でディオールのドレスに出会う。その美しさに魅せられた彼女は、フランスへドレスを買いに行くことを決意。どうにか資金を集めてパリのディオール本店を訪れたものの、威圧的な支配人コルベールに追い出されそうになってしまう。しかし夢を決して諦めないハリスの姿は会計士アンドレやモデルのナターシャ、シャサーニュ公爵ら、出会った人々の心を動かしていく。

スタッフ

監督:アンソニー・ファビアン
製作:アンソニー・ファビアン ザビエル・マーチャンド ギョーム・バンスキー
製作総指揮:フィリップ・カルカソンヌ ベアタ・サブーバ リマ・ホートン ジェン・ゴートン イルダ・ディフリー レスリー・マンビル
原作:ポール・ギャリコ
脚本:キャロル・カートライト アンソニー・ファビアン キース・トンプソン オリビア・ヘトリード
撮影:フェリックス・ビーデマン
美術:ルチャーナ・アリギ
衣装:ジェニー・ビーバン
編集:バーニー・ピリング
音楽:ラエル・ジョーンズ

2022年製作/116分/G/イギリス
原題:Mrs Harris Goes to Paris

映画.comより引用

 

今回はネタバレなしの解説モード。

 

今回もサラッとゆく。

 

アマプラ見放題でコノ作品を配信していたのでチビチビ(晩酌の音)と観た印象は小ぢんまりとした良い作品。

 

良い、と入れたから辛口批判じゃない。(逃げの一手)

 

まぁ、一歩間違えると綺麗ごとになりかねないところをアノ役をイザベル・ユペールにすることで、品の良い大人のファンタジーにしている。

 

なってはいる。それを含めてキャスティングの勝利かな。

 

実は、一見陽気で快活なこの主人公は感情の底には昏いモノが横たわっていて、だからユペールのアノ役も彼女との対比になっているので救おうとしたり、パリの若者カップルを助けたりするのだけども、それは後で。

 

実は、コノ作品で原作が存在して、これが結構に人気作だった事を後付で知ったという状況。しかも著者が『ポセイドン・アドベンチャー』のポール・ギャリコだという。

 

まあ、そのくらいにしか知らない。

 

それなので当然のごとく原作も読んだことがない状況での初鑑賞なのだが、まぁココでの早い話が、オーダーメイドによる一点物高級オートクチュールだったブランドのディオールがサイズ別の高級既製服プレタポルテに変るきっかけを作ったらしいのがコノ作品の主人公ハリスおばさん。という展開。

 

あ、一言抑えておくと。作品内でオートクチュールプレタポルテに変るなんてシーンは無い。でも、別の商品をライセンス化するシーンはある。そして、ライセンス化とはプレタポルテが成立できる必要条件なのでそうなっている訳だ。

 

うむ、自分は日本だから、そこにこだわりは無いが、フランス人はコレをどう見たのか?

 

プレタポルテなんてイブ・サン=ローランくらいしか知識は無いがな、しかも映画経由。

 

なので、今回は別の視点からコレを語って締めたい。ズバリ戦争の話だ。

 

ミセスハリスは作中では普段どおりに過ごしてはいるが、夫は第二次世界大戦のMIA(作戦行動中行方不明兵)で、その事をどこかで引きずってる。だから周りも気を揉んでいる。彼女の時は止まったままだ。

 

それを動かしたのはディオールオートクチュールオートクチュールそのものは貴族文化と共にしている歴史あるものだが、戦争のために当然のごとくそれは止められていた、それが戦争終結御に堰を切ったように急速に広まったために彼女の目に留まり、止まってしまった時が動き出すドラマになっている。

 

ミセス・ハリス パリへ行く

ディオールオートクチュールは彼女の人生を次のステップへと誘うツールなのだ。

 

少なくとも脚本はそうドラマを構築しているし、演出もそうなっている。

 

そうでなければ、あのラストにはならない。

 

これでおしまい。

 

VODで鑑賞。

 

 

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